「
オークス・G1」(21日、東京)
圧倒的な強さを誇る
桜花賞馬が
オークスに参戦したとしても、他の馬にチャンスがないわけではない。
リバティアイランドが牝馬クラシック2冠を狙う23年も同様だ。2000年以降、人気が集中した
桜花賞馬の牙城を崩した樫の女王を4回に渡って振り返る。第1回は01年覇者
レディパステル。
◇ ◇
地道に力をつけ、最後は海外の豪腕というスパイスが最高の結果もたらした。01年の
桜花賞馬
テイエムオーシャンのクラシック2冠を阻止したのが別路線組の
レディパステルだった。
桜花賞を単勝1・3倍で制した
テイエムオーシャンが
オークスでも単勝1・8倍と支持を集めた中、5番人気の
レディパステルの強襲が決まった。JRA史上初の外国人騎手によるクラシック制覇を飾ったデザーモが家族と笑っていた。
デビューが年明け1月で、初勝利はダートに矛先を変えた3戦目。4戦目の条件戦も2着に敗れ、
桜花賞と同じ週の
ミモザ賞に勝って、ようやくオープン入りした。
転機は
オークストライアルのフ
ローラS。陣営が騎乗依頼したのは、米国の豪腕デザーモ。聴覚障害のある息子と過ごす時間を増やすため、週末しか競馬のない日本での短期免許を取得し、その週から騎乗していた。結果は2着だったが「すごくいい切れ味を持っているよ」と評価される。
オークスでの継続騎乗が決まると、大胆な策に出る。最後方から進めて鋭い末脚を温存。最後は
ローズバドとのたたき合いを制し、栄冠をつかんだ。好位から進めた
テイエムオーシャンは3着に粘るのがやっとだった。
レース後、デザーモは「馬が気持ち良く走ってくれるように、スタートであえて気を一瞬抜かせた」と振り返っている。これぞ北米No.1ジョッキーが導いた逆転勝利だった。
提供:デイリースポーツ