◆第84回
オークス・G1(5月21日、東京競馬場・芝2400メートル)
遅れてきた大物が母子制覇を狙う。
ミッキーゴージャスの
母ミッキークイーンは15年の
オークス馬。同年の
秋華賞も勝ち、17年
阪神牝馬Sを制すなど古馬でも一線級で活躍した。仏国産の祖
母ミュージカルウェイも重賞を3勝しており、馬名通り華やかな母系の持ち主だ。
デビューは2月19日小倉の未勝利戦。そこまで遅くなった理由は体の小ささだ。2歳の秋で、馬体重は400キロ前後。初戦前に入厩したときも440キロ程度だった。さらにもともとあごが小さく、カイバ食いもいい方ではない。安田隆調教師は「線がキリンみたいに細い」と例えた。
体の小ささは母譲りだ。母も2歳12月に440キロでデビュー。3歳初戦の
クイーンC(2着)は何と20キロ減の424キロだった。
オークスV時も430キロ。キャリアの最高馬体重が448キロと小柄なまま、
ヴィクトリアマイルから
有馬記念までG1で【2・1・3・4】と幅広い距離で好走を続けた。
もう一つ、母と似ているのが道悪適性だ。初戦から重、稍重で2連勝。
ディープインパクト産駒の母も重馬場で2勝し、稍重の17年
宝塚記念も3着に好走した。「線が細くて脚が長くて、道悪はどうかなと思ったが、意外と走った」と安田隆師。きゃしゃな体からは想像できないパワフルさを受け継いでいる。女王
リバティアイランドとは未対戦。だからこそ、母系の底力は侮れない。(水納 愛美)
スポーツ報知