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【オークス】21年ユーバーレーベン “総帥”岡田繁幸氏にささげたV

デイリースポーツ
  • 2023年05月19日(金) 06時00分
 「オークス・G1」(21日、東京)

 圧倒的な強さを誇る桜花賞馬がオークスに参戦したとしても、他の馬にチャンスがないわけではない。リバティアイランドが牝馬クラシック2冠を狙う23年も同様だ。2000年以降、人気が集中した桜花賞馬の牙城を崩した樫の女王を4回に渡って振り返る。最終回は21年の覇者ユーバーレーベン

  ◇  ◇

 その下馬評は、もはや国内にとどまらなかった。生まれてくることだけでもまれな白毛馬のG1制覇は世界初。しかも桜花賞まで無傷の5連勝となれば単勝1・9倍も必然だ。2021年のオークスソダシを中心に回っていた。だが、白毛のアイドルホースに代わって頂点に立ったのは、ゴールドシップ産駒のユーバーレーベンだった。

 回り道をしながら爪を研いできた。新馬戦こそ快勝したが、2戦目以降は勝ち切れない。ソダシとも3度対戦して全敗。3歳になると、始動戦に予定していたチューリップ賞を疝痛で回避。そしてスライドしたフラワーCの前日に思わぬ訃報が届く。ビッグレッドファームの“総帥”岡田繁幸氏が死去。フラワーCで3着に終わると、桜花賞へは強行せずに向かったフローラSでも3着。優先出走権を逃したが、収得賞金で何とか大舞台の出走切符を手にした。

 レースを使って状態を上げていく。古くからのセオリーにのっとって進めた本番では、後方から進めると鋭い末脚でライバルたちをねじ伏せた。ターフの真ん中でM・デムーロが右拳を突き上げる。「感動した。勝って(岡田さんを)思い出した。昔からいい馬に乗せてもらったし、良かった」。天国の恩人にささげる勝利でもあった。

提供:デイリースポーツ

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