「
オークス・G1」(21日、東京)
圧倒的な強さを誇る
桜花賞馬が
オークスに参戦したとしても、他の馬にチャンスがないわけではない。
リバティアイランドが牝馬クラシック2冠を狙う23年も同様だ。2000年以降、人気が集中した
桜花賞馬の牙城を崩した樫の女王を4回に渡って振り返る。最終回は21年の覇者
ユーバーレーベン。
◇ ◇
その下馬評は、もはや国内にとどまらなかった。生まれてくることだけでもまれな白毛馬のG1制覇は世界初。しかも
桜花賞まで無傷の5連勝となれば単勝1・9倍も必然だ。2021年の
オークスは
ソダシを中心に回っていた。だが、白毛の
アイドルホースに代わって頂点に立ったのは、
ゴールドシップ産駒の
ユーバーレーベンだった。
回り道をしながら爪を研いできた。新馬戦こそ快勝したが、2戦目以降は勝ち切れない。
ソダシとも3度対戦して全敗。3歳になると、始動戦に予定していた
チューリップ賞を疝痛で回避。そしてスライドしたフラワーCの前日に思わぬ訃報が届く。ビッグレッド
ファームの“総帥”岡田繁幸氏が死去。フラワーCで3着に終わると、
桜花賞へは強行せずに向かったフ
ローラSでも3着。優先出走権を逃したが、収得賞金で何とか大舞台の出走切符を手にした。
レースを使って状態を上げていく。古くからの
セオリーにのっとって進めた本番では、後方から進めると鋭い末脚でラ
イバルたちをねじ伏せた。ターフの真ん中でM・デムーロが右拳を突き上げる。「感動した。勝って(岡田さんを)思い出した。昔からいい馬に乗せてもらったし、良かった」。天国の恩人にささげる勝利でもあった。
提供:デイリースポーツ