「
日本ダービー・G1」(28日、東京)
いざ、現3歳世代7708頭の頂点へ。刻一刻と迫る決戦を前に、
皐月賞馬
ソールオリエンスの主戦を務める
横山武史騎手(24)=美浦・鈴木伸=に話を聞いた。無敗戴冠に挑む相棒への期待、惜敗に終わった21年
エフフォーリアへの思い-。東の若きエースが存分に胸の内を語った。
◇ ◇
-いよいよダービー。その前に、まずは前走・
皐月賞の回顧を。
「枠順(1番)が出た時は大変だなと思いました。ただ、馬のポテンシャルは信じて疑わなかったので、この極端な枠がどう出るかでした。終わってみれば強かったです」
-道中の手応えは。
「向正面から進みが悪くて、しまいではじけるかは半信半疑でした。不安はありましたね」
-最後はすごい脚。
「皆さんもビックリしたと思いますが、僕が一番ビックリしました。4角では外へ膨れてしまったし、差せる感じはなかったです。ただ、ラスト200メートルからもう一段階ギアがあって、“ここからさらに上がるのか!”と」
-
ソールオリエンスはどんなタイプ?
「初めてのタイプかも。乗り味はもちろんいいけど、
エフフォーリア、
タイトルホルダー、
スターズオンアース、
キラーアビリティ、
ウンブライルの方が背中はいい。ただ、競馬へ行ったら素晴らしいです」
-ストロングポイントは。
「真面目なところです。4角をうまく回れないので、人の指示に従わないと思うかもしれないけど、あれは体の
バランスがまだまだで、馬自身がコーナーの遠心力に耐えられていないだけ。直線で仕掛けた時の反応は素晴らしく、スッと動ける。こちらが控えたい時には我慢ができるし、行けと言えば反応する。コントロールしやすいのは大事なことですから」
-舞台については。
「2400メートルの距離に不安はないし、個人的には左回りの方がいいと思っています。中山は早めに仕掛けなければならないので、遠心力に耐えられないところがあるけど、広い東京ならその心配が少なくなる。東京の方が適性はあると思います」
-武史ジョッキーにとってダービーとは。
「独特な雰囲気がありますね。小学生の頃からダービーは特別なレースだと思っていた。騎手になってからはより一層それを感じ、ダービーに騎乗するようになってからさらに感じます。18人に選ばれるだけでもありがたいこと」
-印象深い祭典は。
「はっきり覚えているのは(09年の)
ロジユニヴァース。父(典弘)が乗っていたし、父のことは毎週、応援していましたからね。勝った時はすごいなと思いました。小さい頃から父を尊敬していて、その時はいつも以上に格好良かった」
-21年は
エフフォーリアで惜しくも鼻差2着に敗れた。
「今でも
エフフォーリアのダービーは(映像で)見ていないです。プロとして敗戦を糧にするために見返さなければいけないのは分かっているけど、僕には精神的なダメージが大き過ぎます。あのダービーだけは見られない」
-それほど悔しかった。
「今後、ダービーをどこかで勝つことがあったとしても、あの悔しさは晴れないです。なぜなら
エフフォーリアと勝ちたかったから。それはどんなに願っても無理ですね…。
タイムマシンを使わない限りは」
-今回も無敗馬で挑む。改めて意気込みを。
「また素晴らしい馬に出会えたと思っています。まずは人馬とも無事にレースを迎え、あとは僕が
ソールオリエンスにとって、最善の騎乗をすることができれば」
提供:デイリースポーツ