【疾走!!
オリエンス急行(4)】
皐月賞で
ソールオリエンスが引き当てた枠は最内1枠1番。その第一感を横山武は「試練」、手塚師は「最悪」と表現した。
中山競馬は例年9月〜4月にかけて東京と入れ替わりで開催。最も芝が傷んでいるのが4月最終開催の
皐月賞デーだ。ごちゃつきやすい多頭数でもあることから、
皐月賞において内枠は圧倒的に不利とされる。ましてや今年は同レース50年ぶりの重馬場。道悪は定説として傷みが少ない馬場を走れる外枠が有利となる。
皐月賞のソールは水準の発馬を決めるも、外から先行勢が殺到し初角15番手の位置取り。「想定していたより後ろになった」(横山武)のは最内枠の弊害も大きかった。4角では17番手。過去最大の逆転劇が4角12番手(93年
ナリタタイシン)なので、前代未聞の直線一気だった。それを「ダービーを見据えた仕上げ」(手塚師)で成し遂げるのだから末恐ろしい。
中山開催の
皐月賞で最内枠から勝ったのは
グレード制導入以降2頭のみ。94年
ナリタブライアン、20年
コントレイル。「
ソールオリエンスは歴史に名を刻む馬になる資格、チャンスがある」と語る手塚師の言葉の真実性は、先達3冠馬2頭の蹄跡にも裏付けられている。
スポニチ