「
日本ダービー・G1」(28日、東京)
頂上決戦が刻一刻と迫る中、出走予定馬全頭が24日に最終追い切りを行った。連覇&前人未到のV7が懸かる
武豊を新鞍上に迎える
ファントムシーフは、栗東CWで併せ馬。終始馬なりながらもリズム良く駆け、きっちり先着を果たして万全をアピールした。1週前は栗東CWで迫力満点の3頭併せ。一杯に追われるとラスト1F11秒0と抜群の切れ味を発揮し、古馬オープン2頭を子供扱いに。今週は一転して馬なり調整だったが、折り合い十分に好ラップを刻んだ。調整過程に狂いなし。万全の態勢で頂上決戦に臨めそうだ。以下は
武豊騎手、梛木孝幸助手への一問一答。
◇ ◇
◆
武豊騎手 -2週前追い切りで初コンタクト。最初の印象は。
「総合力が高く、性格的にも問題なし。大きな癖もなくて、乗りやすいと思いました」
-最終追いの感触は。
「強くなり過ぎないようにとの指示。軽く
ゴーサインを出そうという時に、馬が自分からギアを上げる感じになったので、それ以上走らないよう最後は抑えながら。折り合いが付いて、反応もすごく良かった。状態はかなりいいと思います」
-東京の2400メートルは。
「過去のレースを見ても、血統的にも合っていそう。前走より条件はいいと思います」
-23年のダービーにかける思いを。
「特別なレースですが、今年だからと大きく気持ちは変わりません。ただ、テン乗りではダービーを勝てないという話をよく振られますからね。そういう話が今年で終わればいいかな」
-意気込みを。
「素晴らしい馬で参加できるのはありがたいこと。期待に応えたい気持ちは強いですね。7勝目を狙いたい」
◆梛木孝幸助手
-最終追いのテーマは。
「1週前にしっかり仕上げているので、今週はやり過ぎないように。気持ちの面で余裕を残しつつ、動きを確認してもらいました」
-評価は。
「素軽くて、追えば追うほど伸びそうでしたね。申し分ない動きでしたし、すぐに息も整いました。ここまでいい段階を踏んで来られたと思います」
-本番への思いを。
「
皐月賞は右トモの落鉄があったとはいえ、悔しいレースでした。幸いレースを使ったなりのダメージしかなく、入念にケアしながらここまで調整してきました。あとはダービー6勝の
武豊さんにお任せ。悔しい思いをここで晴らしたいです」
◆調教診断
テン乗りは勝てない-。そんなジンクスを打ち破るため、新コンビの
武豊が3週連続で追い切りに騎乗。綿密にコンタクトを取ってきた。1週前が圧巻の動きで、
皐月賞時とは脚の回転速度が違った。今週は感触を確かめる程度だったものの、馬なりでラスト1F11秒3と文句なしだ。
大きなフットワークが持ち味。小回りのコース形態から、
皐月賞の仕上げは機動力を求めるアプローチだったが、今回は武器をさらに伸ばすダービー仕様。“折り合い”と“ため”を重視した調教により、描いた通りの仕上げが完遂した。
提供:デイリースポーツ