◆第90回
日本ダービー・G1(5月28日、東京競馬場・芝2400メートル)
最近10年のダービー上位3頭の前走は、計30頭中22頭が
皐月賞で、
京都新聞杯と
青葉賞が3頭ずつ、
毎日杯と
プリンシパルSが1頭ずつと、大きな偏りがある。王道路線を歩んできた馬はやはり強い。
前走の上がり3ハロンのタイムに着目すると、19頭が3位以内。勝ち馬に限れば10分の9だ。唯一の例外となる
ワグネリアンは5位タイだが、この年の
皐月賞は上がり1位に3頭が並び、続く4位からは0秒1差。府中の長い直線で勝ち切るために、鋭い末脚は必須の要件と言える。
ダービーまでの戦歴数は最多が5戦の10頭で、続いて4戦の9頭、6戦の6頭。ただし16年ごろからは間隔を空けたローテーションが主流になっており、近5年に絞ると6戦以上使ってきた馬は2頭に限られる。また、1着馬のうちG1以外で6着以下の敗北を喫しているのは
ワンアンドオンリーと
ロジャーバローズのみ。3着まで広げても計5頭しかいない。ダービー馬を目指す上で、トップクラス以外での大敗は大きなマイナス要因だ。
浮かび上がってくる23年のお宝馬は
シャザーンだ。
皐月賞の上がりは2位タイの36秒4。ダービーまで4戦という理想的なローテで、かつG1以外では連対を外していない。
ファントムシーフも条件を満たしているが、
シャザーンの友道調教師は現役最多のダービー3勝を誇り、ここ一番の仕上げの確かさは言うまでもない。トレーナー史上初となるダービー連覇へ、不気味な気配だ。(角田 晨)
スポーツ報知