◆第6回
葵S・G3(5月27日、京都競馬場・芝1200メートル、良)
3歳馬による電撃戦、第6回
葵S・G3は京都競馬場で行われ、
武豊騎手(54)=栗東・フリー=騎乗の
モズメイメイが抜群のスタートから逃げ切り、重賞2勝目を挙げた。28日の
日本ダービー(東京)に
ファントムシーフで参戦するレジェンドは「またインタビューさせてもらえるように頑張りたい」とダービー連覇での最多7勝目、史上最年長Vに弾みをつけた。
“フライング”を疑いたくなるような
ロケットスタートに、スタンドがどよめいた。ゲートが開いた瞬間、
モズメイメイが他馬より1馬身も出ていた。「スタートが速い馬ですけど、タイミングが合いすぎてしまって」。
武豊も目を丸くした好発が、勝負の分かれ目だった。
「逃げるつもりはなかったんですけどね」。名手はすぐさまレースプランを変更。無理に抑えずハナを奪うと、2ハロン目から10秒台の速いラップを刻みながら、一人旅に持ち込む。ラスト3ハロンも33秒2にまとめ、後続の追い上げを振り切った。「前半のアドバンテージが利きましたね」。勝ちタイムの1分7秒1は、0秒9も更新するレースレコードだった。
直線が平坦で前が止まらず、高速決着になる京都で3年ぶりの開催。
モズメイメイには最高の舞台設定でもあった。「フライングでしたね」とジョーク交じりに切り出した音無調教師。「ゲートが開くのをずっと待っているみたい」とスタートが上手な秘けつを明かした。
鞍上にとってもこれ以上ない“前祝い”だ。28日は競馬の祭典・
日本ダービー。
ファントムシーフと昨年に続くダービー連覇、そして前人未到のV7に挑む。今年重賞6勝目を飾り、12Rも連勝。「今日も結果を出せて良かった。いよいよダービーなので、またインタビューさせてもらえるように頑張りたいですね」と力を込めた名手は、勢いに乗り決戦の地に向かった。(戸田 和彦)
◆
モズメイメイ 父
リアルインパクト、
母インラグジュアリー(父
フランケル)。栗東・
音無秀孝厩舎所属の牝3歳。北海道千歳市・社台
ファームの生産。通算6戦4勝。総獲得賞金は1億1436万1000円。重賞2勝目。主な勝ち鞍は23年
チューリップ賞・G2。馬主は(株)キャピタル・システム。
スポーツ報知