ここ2走、ハナを切る競馬で
難波S1着→メイS2着と連続連対している
マテンロウスカイ。いずれも2ハロン目からゴールまで一貫して11秒台の
ハイラップを刻んでの逃げ粘り。時計面からもポテンシャルの高さがひしひしと伝わってくる。しかも前走はレース中に舌を出しながらの走りでもあったそうだ。
「舌がハミを越してしまうとコントロールが利きにくくなるんです。それであのペースで行って、のみ込まれずに粘れるんだからすごいですよね。改めて地力があるなと思いました」
そう話した木戸助手が
マテンロウスカイを担当するのは昨夏以来。当時はまだトモの緩さなどがあり、「前と後ろがかみ合ってこない感じがありました」。しかし、今は「馬が全然違います」とキッパリと言い切り、次のように言葉を続けてくれた。
「しっかり(前後が)かみ合っていて、中身が詰まってきたなと。体も全体的にガッシリとして、それに伴って追い切りも全然違う感じで動けるようになってきました」
この成長には調整法の工夫も寄与しているようだ。
マテンロウスカイは昨秋の
セントライト記念(13着)までウッドを中心に追い切られていたが、その後は坂路主体にシフトしている。
「もともと後ろが弱かった馬なんですが、だいぶ自分で重心を保って走れるようになってきました。後ろが弱いとどうしても前で支える形になるんですが、トモが強くなると体が起き上がって後ろが使え、前も伸びるようになる。そこは成長だと思います」
肉体面の成長に加え、4歳を迎えて精神面にも進境が。
「坂路に行く前にEコース(ダート)でハッキングをしたりするんですが、以前はその際に力むところがあった。今はすごく楽に、
リラックスして走れるようになってきましたね」
坂路にプラス
アルファの調整を加えて、御せるところを増やせるようトレーニングを積み重ねてきた成果が実を結びつつあるというわけだ。
前走を踏まえ、今回は舌を縛ってレース(
エプソムC、11日=東京芝1800メートル)に臨む予定。
セントライト記念を除く10戦すべてで馬券圏内確保とこれまでも超がつく堅実ぶりを見せてきた
マテンロウスカイが、今回はさらにひと皮むけた走りを見せてくれるのではなかろうか。
(栗東の馼王野郎・西谷哲生)
東京スポーツ