先週も東京で
ブリックスアンドモルタル産駒が勝ち、新種牡馬が躍進。これからの新馬戦でどの産駒が活躍するのか、非常に楽しみなところであるが、昨年の同時期に行われた阪神マイルで新馬勝ちしたのが
ファントムシーフ(栗東・
西村真幸厩舎)。
2着に1馬身1/4差をつけての快勝だったが、その後は
野路菊Sと
共同通信杯を勝ち、1番人気の支持を受けた
皐月賞では3着。やはり夏開催の阪神でデビュー勝ちするとクラシック路線で主役級の活躍をすることが多く、そういった意味でも3回阪神の後半戦も目が離せない。
【6月17日(土) 阪神ダート1200m】
◆
サトノフェニックス(牡、
父ヘニーヒューズ、
母マーメイドティアラ、栗東・
西園正都厩舎)
祖
母グレイスティアラ(
父フジキセキ)は
全日本2歳優駿など、ダート交流重賞で3勝を挙げており、本馬のきょうだいの
ショウナンアーチー(父
リオンディーズ)はダートで3勝、
サンライズジャスト(
父ヘニーヒューズ)はダートで2勝とダートでの活躍が目立つ。
ゲート試験合格後に一旦牧場へ戻って調整していたが、栗東へ帰厩してからはCWでの追い切りを意欲的にこなしている。先週のCWではレースでも騎乗予定の
和田竜二騎手が跨って、新馬との併せ馬。先行していたとはいえ、ゴール前では相手を突き放す動き、6F81.5秒と速い時計をマークしている。「ゲートも速いから初戦から楽しみ」とは
西園正都調教師。
【6月18日(日) 阪神芝1600m】
◆
スノーライトニング(牡、父
レイデオロ、
母ライトファンタジア、栗東・
松下武士厩舎)
新種牡馬、
レイデオロの産駒。おじには
日経新春杯や
ダイヤモンドSを勝った
アドマイヤモナーク(
父ドリームウェル)がいる血統。本馬は4月13日にノーザンFしがらきから栗東へ入厩して、ゲート試験合格後に牧場で再調整。5月下旬に栗東へ戻ってきた。
5月31日に坂路で追い切った時計が4F53.0秒。非常にいい数字が出たが、6月4日のCWでは少しラストで時計を要する動きとなり「ジョッキーに跨ってもらってみて、どのくらい動けるか確認します」と話していたのが、先週のCW。レースでも騎乗予定の
坂井瑠星騎手が跨り、6F84.4秒と全体時計は平凡だったが、ラストは11.7秒。相手の新馬の方が手応えには余裕があったが、この馬自身もしっかりと動くことはできていた。
◆
イーグルノワール(牡、父
ブリックスアンドモルタル、
母アルティマブラッド、栗東・
音無秀孝厩舎)
すでに新馬勝ち2頭を出している、新種牡馬
ブリックスアンドモルタルの産駒。母は同厩舎で管理され、ラピスラズリSなど芝で6勝を挙げている。
本馬は4月13日にゲート試験を合格し、その後は牧場で調整しての栗東再入厩。5月25日に坂路で4F54.3秒をマークしたかと思うと、6月1日には4F52.8秒、そして、先週は4F51.7秒。追い切るごとに時計を詰めているあたりにスピード能力の高さを感じる。併せ馬ではなかなか先着できていないが、それは相手が走っているだけで、水準以上に動けているのは間違いない。なお、鞍上は
西村淳也騎手が予定されている。
【6月17日(土) 函館芝1200m】
◆
コルルディ(牝、父
ダノンシャンティ、
母ハイヨーシルバー、栗東・
高柳大輔厩舎)
母系の近親にダートで5勝を挙げた
ゲイリースノーマン(
父Victory Gallop)がいるが、
JRAでデビューしたきょうだいは未勝利に終わっている。ただ、本馬は
NHKマイルCでレコード勝ちした父
ダノンシャンティの素晴らしいスピードが伝わっているのか、追い切りで速い時計をマークしている。
5月31日の坂路が4F53.0秒、2F24.7秒。新馬相手に楽々と先着しており、6月8日には移動した函館競馬場の芝コースで追い切り。トラック馬場での追い切りをあまりこなしていないこともあり、コーナリングではぎこちない面もあったが、最後の直線での力強いフットワークは印象的。これでコースにも慣れたはずで、最終追い切りでの動きが非常に楽しみになってきた。
(取材・文:井内利彰)