6月18日に東京競馬場で行われる
ユニコーンステークス(3歳・GIII・ダ1600m)。96年に創設された同レースは、名うての出世レースとして知られる。過去27頭の勝ち馬のうち、14頭がのちにGI/JpnIを勝利。本稿では過去に優勝した名馬の数々を振り返ってみたい。
■第1回(1996年)
シンコウウインディ 記念すべき第1回は中山ダ1800mで行われた。1番人気の
バトルラインが1位入線を果たしたが、4コーナーで他馬の進路を妨害。10着に降着となり、
シンコウウインディが繰り上がって優勝した。同馬はその後、GI格上げ初年の
フェブラリーSを制している。
■第2回(1997年)
タイキシャトル 歴史に残る名マイラーの重賞初制覇がダートだったことは意外と知られていない。道中は内5番手を追走し、直線は上がり最速の脚で抜け出して優勝。ダートもこなした
パワーが、後に欧州のタフな馬場でも好走した原動力になったのかもしれない。
■第5回(2000年)
アグネスデジタル 後に国内外のGIを6勝する稀代の
オールラウンダー。最内枠でギリギリまで脚を溜め、直線で前が開くと鋭く伸びて2馬身半差で勝利した。その後、同馬は
武蔵野S2着を挟んで
マイルCSでGI初制覇。さらに翌年には国内外GI4連勝の大偉業を達成している。
■第10回(2005年)
カネヒキリ ダートでは圧勝の連続で当レースも1.1倍の圧倒的支持に応えて完勝。その後もJDDや
ダービーGPなど
ビッグタイトルを次々に獲得した。古馬入り後は屈腱炎に悩まされたが、08年のJCダートを制して復活。8歳夏までダートのトップホースとして君臨した。
■第21回(2016年)
ゴールドドリーム デビュー3連勝を飾り、兵庫CSでは2着に敗れたが、当レースで巻き返して重賞初制覇。17年には
JRAの春秋ダートGI制覇の偉業を達成した。長らく地方の馬場は苦手としていたが、18年に
かしわ記念と
帝王賞を連勝。歴史に残るダートホースへ昇華した。
■第23回(2018年)
ルヴァンスレーヴ 2歳時には3連勝で
全日本2歳優駿を制し重賞初制覇。3歳初戦の
伏竜Sこそ2着に敗れたが、
ユニコーンSから秋のチャンピオンズCまで重賞4連勝を飾った。その後、脚元の不安で長期休養。復帰後は振るわなかったが、ダートでは歴代最強クラスとの呼び声が高い。
そのほかにも
ウイングアロー、
ベストウォーリア、
ノンコノユメ、
カフェファラオなどGI/JpnI勝ち馬が多数。今年の出走馬の中にも、将来のGIホースが眠っているかもしれない。