今年も懲りずに、この話題である。何のことかといえば、土曜(17日)東京のダート1400メートル新馬戦における「除外問題」だ。
東京では初めてと同時に開催唯一のダート戦ともなれば、当然のように出走希望馬が殺到。ここ5年の除外馬は11→8→5→14→11頭と高い数値を記録し続けている。ちなみに、ここで除外された馬の“受け皿”となるのは関東圏では次開催福島のダート1150メートルとなるが、東京1400メートルと福島1150メートルでは舞台設定の違いが決して小さくはないだけに…。
今年も先週時点で25頭前後の馬が出走を表明。大量の除外馬が発生することが確実視されている。出走を予定している関係者の中には「やっぱり多いよね」と半ば諦めムードもあり、出走がかないやすい芝に向かうことも検討しているのだとか。2024年からは
地方競馬のダート3冠路線が本格的にスタートする。まだ2歳6月の時点の話とはいえ、大事な“第一歩”の部分の改善を期待したいところだが…。
いずれにせよ、
ソダシらに続く白毛のスターホース候補である
アマンテビアンコ(牡=
父ヘニーヒューズ、
母ユキチャン・宮田)にとっても、この新馬戦での最初の敵は「除外」となろう。真っ白な馬体という話題性だけでなく、ゲートインさえかなえば…と思わせるだけの素質の片鱗は十分に見せてきた。
2週前の南ウッド3頭併せでは6ハロン82.2-11.6秒と時計こそ出たものの、ゴール前はモタつき気味。「道中で抱えるようなところがなく、手前も替えずで…。ギアが上がらなかった」と宮田調教師は辛口
ジャッジだったが、1週前追いでガラリ一変。再び臨んだ南ウッド3頭併せでは古馬相手に互角以上の動きを見せ、ラスト1ハロンは11.1秒を刻んでみせた。これには宮田調教師も「丸山騎手騎乗でタイトな併せ馬を行い、先週に比べて動きが格段に良くなっていましたね。舌を縛った効果で、息遣いも良くなりました」と納得顔だった。
2週前追い後に「かわいがり過ぎずに、強めにやれたのは良かった。しっかり鍛えていきたい」と語ったトレーナー。その言葉通り、2週連続で古馬相手の3頭併せの真ん中という相当な負荷を課したことが、期待の大きさを表している。
「ワンペース型でダート(馬)っぽいですが、総合的に見て、この時期の2歳としてはしっかりと負荷をかけられていると思います。これでもう一段、上がることを期待しています」
除外のリスクを抱えながらも、仕上げに抜かりなし。あとは白毛のニュースター誕生となるか、17日のレース…いや、その前にまずはゲートインがかなうかが判明する15日夕方の出馬表発表に大注目だ。
(山口心平)
東京スポーツ