開催日における通信機器(スマートフォン)の不適切使用で騎乗停止処分を受けていた今村聖奈(19＝寺島)が13日、金沢競馬で復帰した。同処分を受けた6騎手の中で最初の実戦復帰。計8鞍に騎乗して6Rと7Rの3着が最高着順だった。

　失った信頼を取り戻すべく再スタートを切った。今村は先月10日の笠松以来、34日ぶりにレースで騎乗。7RのJRA交流・能登舳倉島賞に加え、エキストラ騎乗で金沢所属馬に7鞍騎乗した。今村は「本当にたくさんの方に迷惑をかけてしまいましたし、関係者の皆さまをはじめファンの方々の信頼を失う行為をしてしまったことについて、大変おわび申し上げたいと思います」と神妙な表情。騎乗停止期間はいつにも増して精力的に調教にまたがり、今月上旬は函館でも稽古をつけた。今できることは何か？自問自答を繰り返し「この1カ月でも自分の中でもっとこうするべきだったのではないかとか、人として欠如している部分も見つかりました」と厳しく律した。

　7Rの中央馬メイショウケンセイとは4度目のコンビ。後方から直線で脚を伸ばしたが、離された3着どまりだった。34日ぶりの実戦騎乗を「レースと調教は全く違うなと。やはり競馬は難しいなと痛感しました」と回顧。「朝の第1レースからたくさんの方々にパドックで応援してもらいました」と感謝し「いい結果を出すことが一番の恩返しだと思っているので、少しでもいいレースを見せられるように頑張りたい」と気を引き締めた。日曜阪神のマーメイドSではハギノメーテルに騎乗する。声援を受けて湧き上がった責任感。見つめ直した時間を決して無駄にはしない。

　≪他の5騎手も騎乗再開へ≫騎乗停止期間が解けた他の5騎手は永島まなみ(20＝高橋康)が今日、名古屋で騎乗を再開する。同レースでメイショウスイセンに騎乗予定だった河原田菜々(18＝渡辺)は出走取消。週末は阪神で騎乗する。「行動を見直し、信頼を得られるように頑張っていきます」と話した。角田大河(20＝石橋)は復帰週からマーメイドSでシンシアウィッシュとのコンビ。「僕の情けない行動でたくさんの人に迷惑をかけてしまいました。復帰週からたくさん馬に乗せていただけて、感謝しています。行動で信頼を取り戻せるように頑張ります」とコメント。古川奈穂(22＝矢作)と小林美駒(18＝鈴木伸)は函館で復帰戦を迎える予定だ。

　◆通信機器の不適切使用問題　4月23日の福島開催中に女性ジョッキールーム(控室)において古川奈、永島、小林美、河原田の4騎手にスマートフォン使用が発覚。今村も同日に京都で使用、さらに前日22日夜に京都市内の認定調整ルームにいた角田河からかかった電話での会話が判明した。JRAは日本中央競馬会競馬施行規程第147条19号「競馬の公正確保について業務上の注意義務に違反した者」に該当すると認定。6人に5月13日から6月11日まで30日間(開催10日間)の騎乗停止処分を科した。

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