通信機器(スマートフォン)の不適切な使用で11日まで騎乗停止となっていた若手騎手6人が、今週末から復帰する。函館競馬場では先週までに
今村聖奈、
古川奈穂、
小林美駒と3人の女性騎手が滞在し、阪神で復帰する今村を除いた2人はそのまま函館競馬で再スタートを切る。
先週火曜(6日)から函館での調教に騎乗している古川奈は、この期間中に
大井競馬場での調教に参加するなどして汗を流してきた。函館は昨年に続いて2度目。それだけに「競馬場の雰囲気とかは昨年経験した分があるので、それを生かして昨年以上に頑張りたい」と気を引き締めた古川奈。続けて「(騎乗停止となった)この期間は迷惑をかけましたが、復帰してレースへの取り組みや騎乗している姿を見ていただいて、少しでも信頼を取り戻したい」と反省を含めた意気込みを語った。
そんな古川奈の復帰を“待っている”のが今週末の新馬戦(土曜ダート1000メートル、または日曜芝1200メートル)に出走する自厩舎所属の
ワイワイレジェンド(牡・矢作)。牧場から直接、函館入りした3日目にゲート試験に一発合格した好センスの持ち主。7日の1週前追いには古川奈自身が騎乗して、本馬場で3歳未勝利を相手に1馬身の先着(5ハロン68.1-11.7秒)を果たし、順調な仕上がりを見せている。
「体は小さい(430キロ)ですけど、カイ食いはいいそうで、北海道に来て落ち着いていると担当の助手さんは言っていました。跳びが大きい中で前向きに走る。それにゲートはメチャメチャ速いですね」(古川奈)と期待を寄せている。父はダート交流重賞8勝(
JRAではGIIIカペラSを勝利)を挙げた
ダノンレジェンドだけに、芝かダートか相手関係を含めて出走レースはギリギリまで陣営が熟慮する方向だ。
もう一人、函館で復帰するルーキー・
小林美駒も函館の印象と意気込みを語ってくれた。「(美浦)トレセンとは雰囲気が違いますね。関西の厩舎の馬にも乗せていただいて、交流できたりでとても勉強になっています。騎乗停止の期間は美浦と函館でずっと調教に乗っていましたが、早くレースに乗りたい気持ちがあります。この後はひと月ほど函館にいて、福島が始まったらそちらに行きます」と当人。おのおのがそれぞれの重みを感じて迎える復帰戦。函館では2人の女性騎手にぜひ、注目していただきたい。
(函館の本紙野郎・立川敬太)
東京スポーツ