今年の2歳新馬戦の幕開けとなった3日の阪神芝外1600メートルで
テラメリタ(牝=
母テラノヴァ・須貝)が、翌週10日の東京芝1600メートルでは
ゴンバデカーブース(牡=
母アッフィラート・堀)が逃走V。社台グループが大きな期待をかけている新種牡馬
ブリックスアンドモルタルはまさに絶好のスタートを切った。
現役時代はGI・5勝、GII・2勝。芝1700メートルからキャリアをスタートさせ、最後は2400メートルの
BCターフを勝利してみせた。つまりクラシックディスタンスに完璧に対応しており、産駒の活躍に期待がかかるのも当然。ちょっと気の早い話だが、来年のダービー、
オークスに何頭の
ブリックスアンドモルタル産駒が出走を果たすことになるのか、大いに楽しみにしている。
社台
ファームの吉田照哉代表は、
ブリックスアンドモルタルの現役中にすでに種牡馬としての権利を獲得。その慧眼には感服するしかないが、早期から結果を出したからには「
サンデーサイレンスの再来」と期待をかける声が出てくるのも無理からぬ話だろう。
7月10、11日にはノーザンホースパークでセレクトセールが行われる。400頭以上の上場馬のうち、
ブリックスアンドモルタル産駒は19頭を予定。昨年は
ショウナンの冠で知られる国本哲秀オーナーが、
アウェイクの22(牡)を3億1000万円で落札しており、今年も同産駒が話題となるのは間違いない。
そんな中、25日の東京芝1600メートルで戸崎圭を鞍上にデビューを予定しているのが
キャネル(牡=
母レッドラヴィータ・手塚)。半兄の
マテンロウスカイ(父
モーリス)は小倉芝2000メートルの新馬戦5馬身差圧勝で競走生活が始まり、先日のGIII
エプソムCでは3着に健闘と確かな完成度と成長力を見せている。果たして弟はいかなる成長曲線を見せることになるのか、期待は高まる。
牧場時代の評価は当然、高かった一方で、
テンションの高さが心配されていたという
キャネル。入厩してからの様子は?
「神経質な馬と聞いていたんだけど、こちらに来てからはのんびりしているんだよね。モノはいいが、体はまだ緩い。伸びシロはありそうだから、使っていくうちに中身が伴ってきたら、変わり身がありそうだね」(野島厩務員)
通常はトレセン入りするとピリピリし始めるものなのだが、逆にトレセン入りしてからマイペースを貫いているのは大物の証し? いずれにせよ1年後にどれほど成長しているか。楽しみに見守っていきたい。
(垰野忠彦)