◇厳選超抜リスト
調教の動きだけをクローズアップして勝ち馬に迫る追い切り企画「厳選超抜リスト」でプッシュするのは
アスクビクターモアだ。近2戦の大敗はあくまで不運が重なったもの。初志貫徹の美浦Wコース単走追いは相変わらず絶好の動きを見せている。
何も変える必要はない。近2戦で悔しい思いをした
アスクビクターモアだが、最終リハは見慣れたWコース単走。序盤をゆったり入り前半3Fは16秒9→15秒1→14秒1。鞍上が促した後半3Fから一気にギアが上がる。最後まで集中した走りで12秒9→11秒7→11秒5の加速ラップを楽々と刻んだ。全身をダイナ
ミックに収縮させることで生まれる推進力。高く舞い上がるウッドチップが力強いフットワークの証明だ。田村師は「先週であらかた出来上がっているので息を整える程度。最後の3Fの動きは良かった。いい状態に仕上がり、満足しています」と納得の表情を浮かべた。
日経賞(9着)、
天皇賞・春(11着)と、今年2戦で大きく着順を落としたが、決して調整を失敗したわけではない。前者は道悪、後者は道中の不利と敗因は明らかだ。師は「前走も状態は良かったが、あれが競馬なので仕方がない。いい状態を持続できるタイプだし、高いレベルで成長もしている」と悲観はしていない。レコードで制した
菊花賞、
ドウデュース、
イクイノックスに続く3着だったダービーも、最終追いはWコース単走。何も変えないことが順調の証だ。
その上で、中間は週に2、3回のゲート練習を敢行。実戦を想定して他馬と並んでゲートに入ることも。21日も追い切り直後の興奮した状態でゲートイン。田村師は「しっかりと4本の脚を着いて、重心も真っすぐだった。パンとスタートを切れる態勢は整えました」ときっぱり。昨年の牡馬3冠で示した自慢の先行力を、最大限に発揮するために手を尽くした。
当然、意識するのは同期の
イクイノックス。昨秋以降、路線をたがえたラ
イバルとはダービー以来の対戦となる。指揮官は「2200メートルの内回りは非常に向いている。競馬のセンスを生かせば逆転は可能なんじゃないか」と真っ向勝負を挑む構え。人事を尽くして天命を待つ。あとは発馬を決め、早めスパートの勝ちパターンに持ち込むのみだ。
スポニチ