26日、阪神競馬場で行われた
宝塚記念は、
C.ルメール騎手騎乗の1番人気
イクイノックス(牡4、美浦・
木村哲也厩舎)が大外から鋭く差し切り優勝。GI・4連勝の大記録を達成した。
前走の
ドバイシーマクラシックでは逃げて勝利したが、今回は後方16番手からの競馬。だが、3角付近からまくり気味に進出し、最後は差し切り勝ちを収めた。
同馬は新馬戦で3番手から抜け出して白星を飾り、
天皇賞(秋)では上がり32.7という強烈な決め手を披露。今回の
宝塚記念や昨年の
有馬記念では、まくり気味に進出して差し切ったかと思えば、前走は逃げ切りと脚質がとにかく自在だ。
自在な脚質だったGI馬といえば
マヤノトップガンが思い当たる。95年の
有馬記念を逃げて勝利するなど、当初はどちらかといえば先行脚質だった。だが、現役最終年となった97年の
阪神大賞典、
天皇賞(春)は後方待機策で連勝している。
また、思い返せば
イクイノックスの父
キタサンブラックも同様だ。逃げ・先行馬のイメージが強いが、
菊花賞では4角8番手からの差し切り勝ち。17年の
天皇賞(秋)では、スタートであおって後方からの競馬となりながら、道中で内から進出。最後は馬場の中央を鋭く伸びて勝利を収めていた。
息子の
イクイノックスには、スピード能力だけでなく自在な脚質まで受け継がれているということだろう。レースを見ている限り、現状は弱点が見当たらない現役最強馬。改めて秋以降のパフォーマンスに期待したい。