◆第72回
ラジオNIKKEI賞・G3(7月2日、福島競馬場・芝1800メートル)
23年の
中央競馬は
宝塚記念の25日で上半期を終え、今週から夏開催に入る。第72回
ラジオNIKKEI賞(7月2日、福島)の主役は
レーベンスティール。重賞初挑戦ながら、デビュー戦でのちの
皐月賞馬
ソールオリエンスと互角の勝負を演じた大器候補だ。
勝つ時は圧勝、そして敗戦も着差はわずか。まだ底を見せていない
レーベンスティールが、満を持しての重賞初挑戦だ。田中博調教師は「大きいところで、と思わせる馬。現状の完成度は低いが、いいパフォーマンスを見せてくれている」と、これまでの戦績(4戦2勝、2着2回)を評価する。
昨年11月の新馬戦(東京・芝1800メートル)は首差で涙をのんだが、勝ち馬は
皐月賞を勝ちダービー2着の
ソールオリエンス。G1馬と互角に渡り合った力は本物で、続く未勝利戦は3馬身半差で快勝した。2走前は不良馬場に苦戦して逃げ馬を捕らえ切れなかったが、後続には7馬身差をつけた。
前走の1勝クラスも後続を寄せ付けない5馬身差の完勝。トレーナーは「折り合いをつけて脚を伸ばし、理想的だったと思います」と振り返る。心身で成長の余地を残しており、「かなり前進気勢が強い子で、出していくと単調になってしまう。我慢するところは我慢させて脚を使うことを心がけています」と、丁寧に調教を進めている。
大物感は走りだけではなく、見た目にもあふれ出る。「りりしい顔が(母の父)
トウカイテイオーって感じですね。非常にかっこいい。目つき、顔つきに、流星が似てるんですよ」と田中博師。G14勝の祖父に近づくためにも、ここでタイトルを手にして秋の飛躍につなげたいところだ。
22日に美浦・Wコースで1週前追い切り(5ハロン69秒4―11秒5)を消化し、25日にも同66秒0(6ハロン83秒2)―11秒3をマークした。「体質が弱くて攻め切れないが、ちょうどいいところでやっていきたい」と指揮官。細心の注意を払いながら、残り6日間、重賞初挑戦Vに向けて一歩ずつ前進する。(西山 智昭)
スポーツ報知