今週から関東の主場は東京→福島競馬場へ。福島コースは小回りではありながら、独特の起伏や3〜4角のスパイラルカーブ(入りがキツくて出口が緩い。馬群がバラけて差し馬にも有利とされる)により、単調な先行有利ではなくスリリングなレースが繰り広げられる
JRA10場の中でも個性的な競馬場でもある。
という前フリから、
ラジオNIKKEI賞(7月2日=福島芝1800メートル)も差し馬狙い…といくべきなのだろうが、同レースにおける過去5年の逃げ馬の成績は3→4→1→3→2着。いずれも7〜9番人気なのだから、逃げ馬を軸に馬券を買えばかなりの確率で高配当にありつけるという傾向を見逃すわけにはいかない。
今年のメンバーを見渡すと逃げ先行タイプがズラリ。普通なら「どの馬が逃げるのか」というのが予測不可能ではあるが、今年に限っては“絶対ハナ宣言”の
グラニットがいるのだから単純明快だ。大和田調教師が「持ち味を生かせるのは逃げる形」と言えば鞍上の嶋田は、「この馬の競馬をするだけ」と口を揃えて先手奪取を約束。
皐月賞12着の大敗後になるが、「気持ちがリフレッシュされていい雰囲気。休み明けは良さそうだし、間隔を空けたのが正解だった」(大和田師)と立て直しの効果をアピールする。GIでの激闘を走り抜いた疲れも取れて、肝心の状態面は上昇ムード。あとは先手を取ってけれん味のない逃げを打つのみだ。
「気合と根性で走ってくれる。ひと言でガッツがある」と同馬のキャラを評した大和田師。嶋田も「ひっかかるわけでもなくお利口な馬。それでいて速いペースでも最後まで頑張ってくれる。まさに“歯を食いしばって”という走りですね」とパートナーの走りを称賛する。
「使いつつ気持ちが入っていって、
皐月賞の前くらいは今までで一番キツかったくらい。今は(ひと息入れて)
リラックスできていますからね。落ち着きもあっていい雰囲気です」と締めてくれた嶋田。福島だけに乱ペースも予想されるが、過酷なレースになればなるほど、
グラニットのタフなハートに火がつくはず。要するに、
ラジオNIKKEI賞の逃げ馬好走記録は今年も継続間違いなしだ。
(美浦の馬券は悩み無用野郎・山口心平)
東京スポーツ