現地時間2日、アイルランドのカラ競馬場で行われた愛ダービー(3歳牡牝・愛G1・芝2400m)をディープ最終世代の一頭
オーギュストロダン(
Auguste Rodin、牡3、愛・A.オブライエン厩舎)が優勝。史上19頭目となる英愛ダービーのダブル制覇を達成した。
これにより、
ディープインパクト産駒は日・英・仏・愛のダービーを勝利。ニジン
スキーや
ガリレオなどが達成した4カ国ダービー制覇という大記録に肩を並べた。本稿では“種牡馬ディープ”が打ち立てた記録の数々を改めて振り返ってみたい。
■GI級競走100勝超え
産駒は様々な舞台で活躍しており、8カ国(日・米・愛・英・首・香・仏・豪)で制したGI級競走は100を超える。
JRAのGI級競走は72勝。ダートは京都開催だった18年
JBCレディスクラシックの
アンジュデジールのみだが、14年には
中山大障害を
レッドキングダムが制すなど平地、障害問わず勝利を挙げている。
JRAで行われている26のGI競走の中で、勝利していないのは
中山GJ、
チャンピオンズC、
フェブラリーS、
高松宮記念の4競走のみ。同産駒の勝利はまだまだ可能性が残されており、今後も目が離せない。
■4カ国でダービー&5カ国で
オークス制覇
何といってもクラシックでの活躍は目を見張る。12年
ディープブリランテや21年の
シャフリヤールなど、
日本ダービーは歴代最多の7勝。さらに
スタディオブマンによる仏ダービー(ジョッケクルブ賞)、前述した
オーギュストロダンによる英ダービー、愛ダービー勝利を合わせて4カ国のダービーを制している。
牝馬も同様に大活躍。12年
ジェンティルドンナや19年
ラヴズオンリーユーなど日本の
オークスは4勝を挙げているほか、グリントオブホープによる豪オーストララシアン
オークス、
ファンシーブルーによる仏
オークス(ディアヌ賞)、スノーフォールによる英
オークス、愛
オークスを合わせて
オークスは5カ国で制した。
■牡馬牝馬両方で三冠馬を送り出す
12年に
ジェンティルドンナが牝馬三冠を達成し、20年には
コントレイルが牡馬三冠を達成。牡牝両方で三冠馬を送り出すのも歴史的快挙だが、
コントレイルにいたっては父と同じく“無敗での三冠制覇”。日本国内はもちろんのこと、世界的にみても唯一の記録ではないかといわれる。
■全13世代でクラシックV
11年に
マルセリーナが
桜花賞を制すと、以降も毎年クラシックホースを送り出す。22年には
アスクビクターモアが
菊花賞を勝利して、12世代連続で国内クラシックを制覇した。
そして今年、
オーギュストロダンが英ダービーを勝利し、初年度から全13世代でクラシックホースが誕生。現状では少々厳しいが、秋に
菊花賞を勝利すれば、国内でも記録達成となる。
上記は“種牡馬ディープ”が達成した記録のほんの一部にすぎない。現役時代も数々の衝撃的な走りを披露したが、父になっても競馬ファンに強い“インパクト”を与えてくれている。国内外に残された最終世代12頭の動向はもちろんのこと、徐々に数を減らしている古馬の活躍も楽しみだ。