夏の福島の名物重賞となっている
七夕賞(9日、福島芝2000メートル)に、
ソングラインで
安田記念を連覇するなど今、勢いに乗っている
林徹厩舎が
バトルボーンを送り出します。
今を時めく林厩舎の
JRA重賞歴を振り返ると、初めてのタイトルをもたらしたのは2019年
福島記念の
クレッシェンドラヴ。翌20年の
七夕賞も制して福島2000メートル巧者として名を上げたことをご記憶の方も多いのではないでしょうか。
主戦を務めていた
内田博幸騎手に
クレッシェンドラヴの現役時代について思い返していただいたところ、真っ先に口にしたのは
七夕賞で「馬場のいいところがちょうど空いていて、
ドンピシャのタイミングで仕掛けられた。あれは会心の騎乗だったね」と笑顔。一方で個性派の多い
ステイゴールド産駒だけに「攻め馬で跳ねたりと、クセはやっぱり強かったね」と苦笑交じりでした。
父譲りの気性の激しさを見せていた
クレッシェンドラヴ。引退後は馬事公苑で乗馬となることが伝えられていましたが、何と先日、新たに福島競馬場の誘導馬を務めることが発表されました。
これには林調教師も「初重賞をもたらしてくれた思い出深い馬なので、うれしい限りですね。気性的に難しいところがある馬でしたから…。調整に携わった関係者の方々すべてに感謝申し上げたい」と感激の面持ち。
そして
内田博幸騎手も「これからは若い後輩たちを見送りながら、優雅に余生を過ごしてもらえれば」とエールを送ります。
福島競馬場には
ヨシオなど個性的な誘導馬が他にも在籍しており、
クレッシェンドラヴの“再デビュー”は未定ではありますが…。きっと近いうちにレースに臨む後進たちをしっかり引っ張り、見守る時が訪れるのではないでしょうか。
もちろん、先輩の思い出の地で“後輩”
バトルボーンが初重賞制覇を勝ち取る瞬間にも期待がかかります。
(美浦の人情派ラガー野郎・権藤時大)
東京スポーツ