「第59回
七夕賞」は6度目の重賞挑戦となった4歳
セイウンハーデスが好位から力強く抜け出して、重賞初制覇を飾った。
G1さながらのウイニングラン。正面直線に戻ってきた幸と
セイウンハーデスを1万5000人超、みちのくの大観衆が喝采で迎えた。西山茂行オーナーが「最高の気分だよ」と鞍上に握手を求める。幸は「近々勝てるとは思っていたがこの馬と初めて重賞を勝てて凄くうれしい。うまく乗れないこともあったが続けて乗せてもらった。感謝の気持ちでいっぱいです」。その手を丁寧に、がっちりと握った。
「イメージ通りに乗れた」道中は3〜4番手。逃げた1番人気
バトルボーンを射程圏に入れて抜群に折り合った。「気を抜く面があったが、(
菊花賞で)初めてブリンカーを着けてから真面目に走るようになった。ずっと手応えが良かった」。4角で馬場状態のいい外に持ち出しながら、
バトルボーンを競り落とす。後方から
ククナ、
ホウオウエミーズの牝馬勢が迫ると、もうひと伸び。「元々能力があったが、成長もしている。最後までしっかり頑張ってくれた」とパートナーを称えた。
これで2000メートルは4戦3勝2着1回。西山オーナーが「やはりこの距離は強いね。馬が分かっている。サマー2000シリーズのどこかを使いたいね」と言えば、橋口師は「次は
新潟記念(9月3日)になると思います」と伝えた。夏の王者へ、堂々の名乗り。不良、良の馬場状態を問わずに重賞好走が続いたのは充実の証。
イクイノックス、
ドウデュースなどを擁する最強4歳世代の実力派が、一皮も二皮もむけてきた。
◇
セイウンハーデス 父
シルバーステート、
母ハイノリッジ(母の
父マンハッタンカフェ) 19年4月8日生まれ、牡4歳 栗東・橋口厩舎所属 馬主・西山茂行氏 生産者・北海道浦河町の鮫川啓一氏 戦績11戦4勝(重賞初勝利) 総獲得賞金1億2608万4000円 馬名の由来は冠名+ギリシャ神話の冥府の神。
≪記録
アラカルト≫
☆幸
七夕賞は3回目の騎乗で初勝利。
JRA重賞は
ファルコンS(
タマモブラックタイ)以来で今年2勝目、通算45勝目。
☆橋口師
七夕賞は初出走初勝利。
JRA重賞は18年
JBCスプリント(
グレイスフルリープ)以来で通算2勝目。
☆血統
シルバーステート産駒は初出走初勝利。
JRA重賞は今年のニュージーランドT(
エエヤン)以来で今年2勝目、通算3勝目。
スポニチ