函館記念(3歳上・GIII・芝2000m)の前哨戦といえば、古くから
巴賞が有名だ。距離こそ200m短いが、滞在して中1週or中2週のローテーションで挑めるのがアドバンテージ。実際、84年の
グレード制導入以降の
函館記念の勝ち馬39頭のうち、実に12頭が
巴賞からの臨戦だった。
一方で
巴賞と
函館記念の着順に相関性がないのも、また事実だ。
巴賞勝ち馬の同年の
函館記念の成績は[2-2-4-21]の勝率7%、複勝率25%。05年の
エリモハリアーを最後に15連敗中となっている。この中に1番人気に支持された馬は5頭。08年の
フィールドベアーこそ2着に健闘したが、その後は11年
マイネルスターリーが8着、12年
トウカイパラダイスが4着、13年
エアソミュールが10着、17年
サトノアレスが6着と馬券圏内を外している。
今年の
巴賞を制したのは
アラタ(牡6、美浦・
和田勇介厩舎)だ。昨年の
福島記念と今年の
金鯱賞で3着になるなど、重賞でも好勝負する反面、オープンでも勝ち切れない面があったが、前走で1年10カ月ぶりの6勝目をゲット。昨年の
函館記念は2番人気で6着に終わったが、当時よりも勢いに乗って挑めることは間違いない。2000mへの距離延長も間違いなくプラス。ジンクスを克服しての
JRA重賞初制覇を期待したい。