7月12日(水)に
大井競馬場で行われる
ジャパンダートダービー(3歳・JpnI・ダ2000m)。
ミックファイアが01年の
トーシンブリザード以来、22年ぶり史上2頭目の無敗三冠制覇に挑む。
01年の
東京王冠賞廃止に伴い成立した現・南関東クラシックで三冠を達成した馬はおらず、来年からは「ダート三冠」創設に伴い競走体系が変更になる。
羽田盃、
東京ダービーがJpnIに格上げ、
ジャパンダートダービーは
ジャパンダートクラシックへと名を変え秋に移設。もし
ミックファイアが三冠を達成すれば、現体制では最初で最後の達成馬ということになる。
ところで。「ダート三冠」創設に伴う、競走体系の変更については覚えているだろうか。昨年6月の発表、および昨年11月の「全日本的なダート競走の体系整備」に関するリリースがあってからだいぶ時間が経った。本稿ではJDDの開催を前にして、3歳ダート路線の変更点を改めて振り返っておきたい。
■ダート三冠の創設
「全日本的なダート競走の体系整備」の中で最も目玉、肝となる施策。中央・地方という所属の枠を超えた3歳ダートチャンピオンを決定する目的で、
羽田盃、
東京ダービーをローカル重賞からJpnIへ格上げ。
ジャパンダートダービーは
ジャパンダートクラシックに名称を変更し、10月上旬に移設。前述3競走で「ダート三冠」と位置づけ、賞金増額、三冠ボーナスを設定する。
羽田盃(4月下旬、大井・ダ1800m)-
東京ダービー(6月上旬、大井・ダ2000m)-
ジャパンダートクラシック(10月下旬、大井・ダ2000m)
出走頭数は
羽田盃と
東京ダービーが
JRA4頭、地方12頭。
ジャパンダートクラシックは
JRA7頭、地方9頭。
■前哨戦の整備
現状では1月から4月まで3歳馬が出走可能なダート重賞が無いことや、
ジャパンダートクラシックに向けて秋に前哨戦を整備。新たに
ブルーバードC、
雲取賞、
京浜盃、
不来方賞がダート
グレード競走に格上げ。
スターバーストC、クラウンC、東京湾C、
ユニコーンS、
黒潮盃、
レパードSは前哨戦に指定され、上位馬にはそれぞれ対応するレースへの優先出走権が与えられる。
【
羽田盃前哨戦】
・
ブルーバードC(1月中旬、JpnIII、船橋・ダ1800m)
・
雲取賞(2月中旬、JpnIII、大井・ダ1800m)
・
スターバーストC(2月下旬、準重賞、大井・ダ2000m)
・
京浜盃(3月中旬、JpnII、大井・ダ1700m)
優先出走権は無いものの、クラシックTR(大井)の上位馬は
羽田盃の出走選定にあたり重視される。
出走頭数は
ブルーバードCが
JRA3頭、地方11頭。
雲取賞、
京浜盃が
JRA3頭、地方13頭。
スターバーストCは地方所属馬限定(23年までは南関東限定戦で、出走条件等が踏襲されるかは未発表)。
【
東京ダービー】
・
ユニコーンS(GIII)
・クラウンC
・東京湾C
何れも開催時期、条件は未発表。
優先出走権は無いものの、
東京ダービーTR(大井)、園田と盛岡に新設予定の指定競走上位馬は
東京ダービーの出走選定にあたり重視される。
【
ジャパンダートクラシック】
・
黒潮盃(8月上旬、大井・ダ1800m)
・
レパードS(8月上旬、GIII、新潟・ダ1800m)
・
不来方賞(9月上旬、JpnII、盛岡・ダ2000m)
出走頭数は
不来方賞が
JRA5頭、地方11頭。
黒潮盃は地方所属馬限定(頭数、選定条件などは未発表)。
レパードSは詳細未発表。
これまで秋に盛岡で行われていたダービー
グランプリは、競走体系の整備に伴い、2023年が最後の開催となる。
■短距離路線の整備
これまでダ1870mで行われていた兵庫CSの距離をダ1400mに短縮。新たに短距離路線の目標となるレースとして整備する。それに伴い、各地で2歳、3歳時に前哨戦(
ネクストスター)を実施。3歳時に行われるレースの勝ち馬には優先出走権を与える。
以上が「ダート三冠」に関わる変更点。そのほかにも、開催時期や条件が変わるレースがあるほか、
TCK女王盃の実施場変更(
兵庫女王盃)、
さきたま杯のJpnI格上げなど古馬路線でも変更点が多数ある。
冒頭でも述べたが、今年は
ミックファイアに期待。5カ月の休み明けで
羽田盃に挑むと6馬身差かつレースレコードで圧勝し、一晩で三冠候補に躍り出た。続く
東京ダービーでも再び6馬身差の圧勝。南関東同士では“モノが違う”の言葉が当てはまる怪物候補だ。改革を前にして、ダート競馬に注目集める勝利を飾って欲しい。