「
ジャパンダートダービー・Jpn1」(12日、大井)
22年ぶりに無敗の3冠馬が誕生だ!好位を進んだ1番人気の
ミックファイアが直線ラスト100メートル過ぎで逃げ粘る
ミトノオーをとらえると、2分4秒6の好タイムで
羽田盃、
東京ダービーに続く南関東3冠を達成した。2着には後方から伸びた6番人気の
キリンジ。3着に逃げた3番人気の
ミトノオーが入った。
ダート界に“令和の怪物”が誕生だ。こん身の力で鞍上が相棒を追い立てる。それに応える
ミックファイア。懸命に逃げ粘る
ミトノオーの外から襲いかかると、ラスト100メートル過ぎでこれをパス。最後は手綱を抑える余裕さえ見せて、トリ
プルクラウンを完成させた。
「もう最高。信じられない。今は言葉が見つからない」と顔を紅潮させた御神本はスタンドから湧き起こった“ミカモト・コール”に何度も感謝の言葉を繰り返した。「
東京ダービーほどのプレッシャーはなかった。パドック、返し馬から状態の良さを感じていたからね。
ミトノオーが残り200で止まったから、何とかかわしてくれって」と歓喜のゴール前を振り返った。
前半からこれまで経験したことのない厳しい流れ。終始、外々を回らされながらも必死に前を追った。「内外からプレッシャーをかけられて思うような位置じゃなかったけど、気持ちを切らさず、諦めずに走ってくれた。感謝しかない」とパートナーをべた褒めだ。
渡辺和師も感無量。レース前は「こんな経験は何度もできるもんじゃないからね」と緊張を隠せなかったが、愛馬の“歴史的瞬間”を確認すると、「ヨシ!」と力強く拳を握りしめた。「かわせないかと思ったけど、最後は力でねじ伏せてくれたね」と夢心地だ。
「これからは(3冠馬に)ふさわしいレースを選択していきたい。ようやく体に気持ちが乗ってきた」。まだまだ成長途上。秋はJBCクラシック(11月3日・大井)からチャンピオンズC(12月3日・中京)の青写真。どこまで勝ち続けて行くのか、進化を続ける“怪物クン”の姿がカクテル光線の中で光りを放った。
提供:デイリースポーツ