「函館記念・Ｇ３」（１６日、函館）

　巴賞での超久々Ｖで勢いづくアラタが１２日、函館Ｗで躍動した。中１週も問題なしの力強い伸び脚を披露。悲願タイトル奪取へ上げ潮ムードだ。

　上げ潮に乗った“善戦マン”が連勝で悲願のタイトルをつかみ取る。前走の巴賞で約１年１０カ月ぶりに勝利を飾ったアラタは、函館Ｗを単走で５Ｆ６７秒４-３８秒７-１２秒２。直線で強めに追われると、重馬場を苦にすることなく力強い伸び脚を披露した。小島助手は「いつも通りの動き。状態はキープできています」と中１週でも問題なしを強調した。

　一昨年の春には、１勝クラスから４連勝を飾るも、その後は３度の重賞３着など、あと一歩届かないレースが続いた。それでも、強い相手にもまれたことは無駄ではなく、着実に地力を強化。前走で久々にＶを射止め、最高の勢いをつかんだ。

　「前走はドーブネをマークして競馬がしやすかったとはいえ、いい勝ち方でした」と同助手は勝ちっぷりを評価。「まだ緩さは残るけど、だいぶ良くなりましたね。初めてまたがった時は大丈夫かな？と思うぐらい緩かったですから。馬体も細く見えますが、しっかり引き締まってきました。いわゆる細マッチョって感じですね」と、ここにきての成長ぶりに目を細める。

　当レースは昨年６着に敗れたが、函館そのものは３勝を挙げる得意コース。「人間の指示が必要ないぐらい乗りやすい。あとは、去年ほど馬場が悪くならなければ」と条件付きながら自信をにじませる。母サンシャインも重賞に１４回挑戦して２着（１２年愛知杯）が最高。母子の悲願へ-。確かな勢いと破格の操縦性を武器に、北の大地で夢をつかみ取る。

提供：デイリースポーツ