「
函館記念・G3」(16日、函館)
素質馬
アルナシームが13日、函館芝で軽快なフットワークを披露し、好気配を伝えた。2歳時はG1で4着に入るなど、能力は確か。先週、
七夕賞(
セイウンハーデス)を制して勢いに乗る橋口厩舎の好素材が、北の大地で重賞初制覇をつかみ取る。
素質馬が重賞の舞台に帰ってきた。
垂水Sを勝ってオープン入りした
アルナシームは、鮫島駿を背に函館芝で最終追い切り。3馬身ほど先行する
シャンバラ(4歳2勝クラス)を目標に運ぶと、5F65秒9-37秒4-12秒4をマークした。ラストも数字以上の躍動感。2歳時にG14着の実績がある実力馬が、その脚力を示した。
鞍上は「1週前(5日)に強い負荷をかけていたので、きょうは折り合い重視」と意図を説明。「2歳時から能力を感じていましたが、神経質なタイプでした。ただ、だいぶ折り合いがスムーズになりましたね」と精神面の成長を強調した。
朝日杯FSでは
ドウデュースから0秒5差の4着など、力は示していたものの、気性が幼く、足踏みが続いた。そこで陣営はフラットワーク(常歩、速歩、駈歩の反復練習)など、常に折り合いを意識したメニューに取り組んだ。その成果でレースでも力を発揮できるようになり、再び重賞に挑戦できる立場まで戻ってきた。
五十嵐助手は「3歳時に(福永)祐一くんが競馬で丁寧に教えてくれたことも大きいですね」と今年2月で騎手を引退し、調教師に転身したかつての鞍上に感謝。「精神面が大人になったことでカイバを食べるようになり、強い負荷もかけられるようになりました」と充実ぶりを語る。
昨年3月のス
プリングS(7着)以来、4度目の重賞挑戦。初の2000メートル戦にも、同助手は「距離はやってみないと分からないけど、小回り平たんは一番合う舞台。少しでもいい馬場でやりたい」と期待。確かな成長を遂げつつある4歳馬が、新馬戦Vの函館で能力をフルに発揮する。
提供:デイリースポーツ