「函館2歳S・G3」(15日、函館)
2歳世代最初の重賞ウイナーに輝いたのは、10番人気の
ゼルトザームだった。道中は重たい馬場を苦にせず、中団を追走。4角手前から進出を開始し、直線で外へ持ち出すと、ゴール前で鮮やかに突き抜けた。
降り続いた雨が味方した。ダートで新馬勝ちした
パワー兼備型。浜中は「馬場が重たかったので、この馬にとってプラスになると思った」と振り返る。1馬身差の完勝に、「3角の手応えが良く、4角で合図を出すと反応があったので、これならと思った。ゴール前で手綱を緩めた時に耳を立てて余裕のあるしぐさを見せていたし、強かったと思います」とうなずく。まだ伸びしろは十分にある。
管理する加用師は10年
函館記念(
マイネルスターリー)、12年
函館スプリントS(
ドリームバレンチノ)を制しており、これで函館重賞完全制覇を達成。「そんな意識はなかった。勝つとは思わなかったからね」とおどける。来年2月いっぱいで定年を迎える師にとっては、最高のプレゼントとなった。
次戦について師は、「馬の状態を見ながら決めたい」としつつ、「G1へ行けるくらいまで成長してくれたらいいですね」と期待を寄せる。ダートと芝で連勝を飾った個性派が、今後どんな路線を歩んでいくのか注目だ。
提供:デイリースポーツ