1年3カ月ぶりでも問題なし!サ
マースプリントシリーズ第3戦「第23回
アイビスSD」の最終追いが26日、東西トレセンで行われ、森秀厩舎4歳エース格の
ジャングロ(牡)が栗東坂路で力強い動き。森秀師が仕上がりの良さと千直適性をアピールした。
1年以上のブランクがあるとは思えない迫力だ。
ジャングロは開門直後の坂路で
エヒト(6歳オープン)と併せ馬。3馬身ほど追走し、前半2Fが13秒9、13秒0でじわっとペースアップした。昨年の
七夕賞を制した先輩重賞ウイナーに並びかけると3F目に12秒1と加速。気合をつけ、強めの手応えでラスト1Fも12秒1にまとめ、併入した。この日、6番目に速い4F51秒1でフィニッシュ。いっぱいに追えば、もっと時計は詰まっていた。1週前に4F50秒7〜1F12秒3で負荷をかけ、ちょうどいいサジ加減。森秀師は「前に行った
エヒトは動くけど、この馬自身もしっかり伸びてくれた。良かったんじゃないかと思います」と納得の口ぶりだった。
デビュー時から非凡なスピードを示していた。一昨年12月の
中京2歳Sから昨年の
マーガレットS、ニュージーランドTと3連勝。
NHKマイルC7着を経て秋は
セントウルSで始動予定だったが、当週に左前脚を捻挫し、無念の戦線離脱。「靱帯(じんたい)を痛めてしまったので、ゆっくり休ませました」と立て直しを図った。放牧先から年明けに帰厩し、半年以上かけて「プールからやってきました」と振り返る。4月下旬に坂路調教を再開し、経過を見ながら目標を決めずに調整。今月に入って同世代の僚馬
ジャスパークローネが
CBC賞を勝ち、
デュガがオープン入りするなど芝短距離路線で頭角を現した。そして、いよいよ厩舎の4歳エース格が復帰戦を迎える。前走から447日ぶりでも「ビッチリやってきましたし、これで仕上がったのかなと思います」と手応えあり。戦闘モードに入ったようだ。
初の直線競馬にも期待をにじませる。「普通に出れば(スタートは)速い。短距離に適性があるし、この舞台は真っすぐで走りやすい」とキッパリ。これまで、この舞台で結果を出している指揮官の言葉には説得力がある。前走の
NHKマイルCは大きく出遅れながら、最後方からメンバー2位タイの末脚で7着。能力は疑いようがない。「あのスタートだった割に、よく頑張った。(ゲート)練習では大丈夫なんですけどね」と苦笑い。その表情から普通に出れば…の思いが見え隠れする。1年3カ月ぶりでも、いきなり全開ムードだ。
《千直勝利数2位!得意の森秀厩舎》01年夏、新潟に国内初の直線コース(芝1000メートル)が新設され、成績を振り返ると調教師別の勝利数で森秀師は別表の通り、栗東の調教師で唯一トップ10入りの2位。【13・8・6・53】で勝率16.3%、連対率26.3%、複勝率33.8%とコンスタントに馬券に絡んでいる。
アイビスSDは延べ8頭を起用し、16年に
ネロが2着。
ジャスパークローネの
CBC賞、
デュガの
バーデンバーデンC(3勝クラス)など今月5勝の厩舎の勢いに乗って
ジャングロが“先輩超え”の千直重賞Vを目指す。
スポニチ