◆第71回
クイーンS・G3(7月30日、札幌・芝1800メートル、良)
第71回
クイーンS・G3は30日、札幌競馬場で行われ、1番人気に支持された
オークス3着馬
ドゥーラ(斎藤)が古馬相手に快勝した。春の牝馬2冠馬
リバティアイランドの待つ最終戦、
秋華賞(10月15日、京都)が視野に入る。
横綱相撲だった。歴戦の古馬を抑えて1番人気に推された3歳馬
ドゥーラが、勝負どころで大外を回り馬場の真ん中を突き抜けるド派手なパフォーマンスを披露。斎藤は「『
ドゥーラが一番すごいぞ』とすごく自信を持って乗りました。イメージ通りに仕掛けられて、馬もしっかり応えてくれました」と人馬一体を体現した。
斎藤にとって昨年9月19日(
モントブレッチア)以来となる斤量51キロでの騎乗。今週は一日一食、
サラダだけという生活だった。「しゃべっていると水分不足で喉が枯れてくるような感じで、きつかったです。毎日、19時ぐらいに寝ていました」。この日も朝4時半から5頭の調教をつけてレースに臨み、まさに疲労困憊(こんぱい)。表彰式に行く直前、エージェントにペットボトルを渡されると一気に飲み干した。
札幌2歳Sを制すなど2歳時にコンビを組みながらいったんは手綱が離れたが、15番人気の
オークスで3着好走。コンビ続戦で2つ目のタイトルを手にしたデビュー5年目の22歳は「
オークスでまたチャンスをいただいて。この馬だけじゃないですけど、特別に思い入れが強かったんで」と覚悟の減量だった。
秋は牝馬2冠の
リバティアイランドが待つ
秋華賞へ。高橋康調教師は明言こそしなかったが、「まずは生まれ故郷の
グランデファームさんで1か月ぐらい休ませて、早めに帰厩させます」と話し、現実的には直行になる可能性が高い。「まだ伸びしろはたくさんあるんで」。ニヤリとした指揮官が不気味に映った。(玉木 宏征)
小回りでの勝利は打倒
リバティアイランドへ大きな武器になる
広い東京2400メートルの
オークスで追い込んで3着だった
ドゥーラが、小回り1800メートルで古馬相手に結果を出した。奇数枠を克服し、スタートを五分に切れたことが勝因だが、2歳時にも札幌の同舞台を連勝していた適性の高さもある。高橋康調教師が「京都開催を意識した競馬をした」というように、今年の
秋華賞は3年ぶりに京都で開催。操縦性の良さは、同じく最初のコーナーまで距離が短い
秋華賞で大きな武器になる。
大本命の牝馬2冠馬
リバティアイランドが結果を出してきたのは、阪神、新潟の外回りや広い東京コース。
秋華賞の舞台である京都の内回りは、勝負どころでゴチャつきやすく、直線は平坦で短いため死角も出てくる。
ドゥーラがここを勝った意味は大きい。
◆
ドゥーラ 父
ドゥラメンテ、
母イシス(
父キングヘイロー)。栗東・
高橋康之厩舎所属の牝3歳。北海道浦河町・
グランデファームの生産。通算成績は8戦3勝。総獲得賞金は1億1821万2000円。主な勝ち鞍は22年
札幌2歳S・G3。馬主は
サイプレスホールディングス合同会社。
スポーツ報知