◆第28回
エルムS・G3(8月6日、札幌競馬場・ダート1700メートル)
いつにもまして期するものがある。
エルムSに
ペプチドナイルで挑む富田は、デビュー7年目での重賞初制覇以上に、恩返しの白星を届けたい一心だ。管理する武英調教師は12年の騎手引退後、富田が所属する木原厩舎の助手だった。「兄弟子みたいなイメージで、ずっとかわいがってもらってきました」。結果で応えようと力が入る。
師匠の木原調教師も25年2月に定年引退を迎えるため、早く結果を出したい気持ちも強い。「先生が現役のうちに、重賞もそうですけど、自分がジョッキーとしてやっていけるところを見せたい。武英先生のところで勝てたら、一番喜んでくれると思う」と、言葉は熱を帯びた。
大沼S、
マリーンSを連勝中のパートナーが
エルムSを勝てば、史上初となる同一年の“北海道ダート3冠制覇”となる。17年には助手時代の武英師が調教をつけていた
テイエムジンソクが
エルムS2着で惜しくも3連勝を逃しており、願ってもない雪辱チャンス。指揮官も「いい状態で使い続けるのは難しいが、あの時の経験が生きれば。何とか富田と初重賞を」と思いは同じだ。全休日明けの1日は
ペプチドナイルの馬場入りに騎乗し、軽めの運動を施した富田。「先週時点の重さはなくなってきて、土曜日に追い切ったのはプラス」と好感触だ。固い絆で、みんなの夢をかなえる時が来た。(坂本 達洋)
スポーツ報知