5日の新潟5R・2歳新馬戦(芝1800メートル)は
ファーヴェント(牡、栗東・藤原厩舎)が単勝1・3倍の圧倒的1番人気に応え、2馬身差の快勝を収めた。今年3月に死んだ
父ハーツクライの最終世代産駒では初の勝ち名乗り。父にとって最後のクラシック戦線へ、まずは最初の一歩を踏み出した。
鮮やかな勝ちっぷりだった。新潟の長い直線。残り400メートル付近で前の開けた
ファーヴェントが一気に弾けた。後続との差を一瞬で広げると、ゴール前では流す余裕を見せながら2馬身差。手綱を執った松山も「着差以上に強い勝ち方だったと思います。相当、素質のある馬ですね」と豊かな将来性を感じ取った。
ドウデュース、
ワンアンドオンリーのダービー馬2頭を始め、数多くのG1ホースを送り出した父は20年に種牡馬を引退し、今年3月に天国へ旅立った。現2歳が最終世代。ここまで3頭がデビューしていたが、勝利には届いていなかった。次走は未定だが、藤原調教師は「期待している馬だからね」と目を細めた。
1000メートル通過が1分4秒5の超スローペースを好位で折り合ったレースぶりから、距離が延びるのも歓迎だ。21年には現役最強馬
イクイノックスが初陣を飾った夏の新潟1800メートル戦から、今年も楽しみな若駒がクラシック候補に名乗りを上げた。(戸田 和彦)
スポーツ報知