今週から小倉開催がスタートして、3場開催。新馬戦の番組数もぐんと増えて、と言いたいところだが、今週の小倉は芝1200mが4鞍で、うち2鞍は九州産限定戦。この時期ならではなのだが、夏の小倉が4週しかないため、その後の九州産限定の未勝利やオープン特別(
ひまわり賞)がすごくタイトなスケジュール。ただ、この時期だからこその限定戦でもあり、どのようなレースを見せてくれるかという気持ちで毎週行われる限定戦に注目してみたい。
そして、今週は
小倉記念が行われるが、1991年にこのレースを制した
ナイスネイチャ。引退後もたくさんのファンに愛されたが、今年5月に息を引き取った。35歳の大往生だったが、その近親である
ライスネイチャ(栗東・松永昌博厩舎)がデビュー予定。ということで、
ナイスネイチャのファンにもぜひ応援してもらえたら、関係者にとって、うれしいはずだ。
【8月12日(土) 小倉芝1200m(牝)】
◆
フォルテローザ(牝、父
サトノアラジン、
母ヒップホップスワン、栗東・
斉藤崇史厩舎)
2021年セレクトセール当歳にて、3700万円で落札された
サトノアラジン産駒。
母ヒップホップスワンは現役時代に1400m以下の距離で3勝を挙げているが、そのスピードがうまく本馬にも伝わっているよう。
7月26日の坂路では古馬3勝クラスを追走する併せ馬に先着。4F52.9秒、2F24.7秒と速い時計が出ているが「動きにはまだ余裕がありましたね」と
斉藤崇史調教師。8月2日の坂路でも古馬1勝クラスを追走して先着。ここでも4F52.4秒をマークしており、やはりスピード能力は高い。レースでの鞍上は
団野大成騎手が予定されている。
【8月13日(日) 小倉芝1200m(九州産馬)】
◆
コウユーカメサンヨ(牡、
父スクワートルスクワート、
母ユニティ、栗東・
斉藤崇史厩舎)
母系には芝で5勝を挙げ、昨年の
アルゼンチン共和国杯では2着という重賞実績もある
ハーツイストワール(
父ハーツクライ)がいる血統。
本馬は5月18日にゲート試験を合格した後、一旦放牧に出されて、7月に栗東へ帰厩。坂路での併せ馬を積み重ねていたが、8月2日は古馬2勝クラスを追走して同入。4F53.3秒、2F24.7秒と速い時計をマーク。追い切りでの動きは週を追うごとに良化している印象もあり、今週の最終追いでは更に動きが良くなりそう。ということで、出走予定馬の中でも調教の動きは中心的存在ではないだろうか。
【8月13日(日) 小倉芝1200m】
◆
ライスネイチャ(牡、
父メイショウボーラー、
母オムスビ、栗東・松永昌博厩舎)
祖
母ゲッケイジュの半兄が
ナイスネイチャ(
父ナイスダンサー)という血統。本馬は2022年北海道セプテンバーセール1歳にて、320万円にて落札されている。
ゲート試験合格後の追い切りは坂路中心に行われていたが、その時点では目立って速い時計は出ていない。ただ、8月2日のCWでは6F84.4秒だったが、3頭併せで最先着する動きを見せており「坂路よりもCWの方が動けますね。最後も余裕はありましたよ」と騎乗した松永晴太調教助手。
8月4日にはレースで騎乗予定の角田大河騎手が跨って、ゲートから時計を出しており、出走態勢は整った。
◆
ドンアポロン(牡、父
サンダースノー、
母エイシンジルコン、栗東・
西園正都厩舎)
近親には芝で6勝を挙げた
エーシンミズーリ(
父マンハッタンカフェ)がいる血統。父
サンダースノーは今年が日本での初年度産駒となるが、8月6日終了時点でまだ産駒が勝ち上がることはできていない。
本馬はゲート試験合格後も栗東に在厩して調整されているが、CW中心の追い切り。7月19日に3頭併せを行い、古馬1勝クラスも混じる中で最先着。6F81.3秒、3F36.6秒と素晴らしい時計をマークしている。8月3日のCWでは古馬3勝クラスを追走して遅れてしまったが、6Fは79.5秒。「ゲートは速いし、追い切りでこれだけ動いていれば初戦から楽しみ」と
西園正都調教師。レースでの鞍上は
幸英明騎手が予定されている。
(取材・文:井内利彰)