2021年の
新潟記念Vなど重賞戦線で活躍を続けてきた
マイネルファンロン(牡8歳、美浦・
手塚貴久厩舎、
父ステイゴールド)が今週13日の新潟1Rに
蓑島靖典騎手=美浦・フリー=の騎乗で、障害デビューを迎える。「障害のセンスもありそう」。2年以上前にもなるが、この手塚調教師の言葉を聞いてから、ひそかにこの時が来るのを期待していた。
担当する神原康秀厩務員は今年で47歳になった記者よりわずかに年上で、「仕事人」という雰囲気を漂わせている。以前は大久保洋吉厩舎時代に所属し、阪神C連覇など重賞4勝を挙げた
サンカルロを手がけていた。「あの馬は爪の返しがとてもきれいで、天性の
バランスがありましたが、
ファンロンも若い時から
バランスは良かったですよ」と懐かしみながら、かつての愛馬の姿と重ね合わせる。
普段の軽い運動から
バランスは重視している。「常歩(なみあし)がしっかりできないことにはキャンターや追い切りで走れないですから。
バランスを意識してから故障が少なくなり、手もかからなくなりました」。
サンカルロも
マイネルファンロンも大きな故障なく、8歳まで現役生活を続けてきたのも偶然ではない。さらに「追い切りに乗るスタッフも
バランス良く乗ってくれるし、意識レベルも高いですから」とチームワークにも厚い信頼を寄せる。
障害挑戦が決まってからも大きなトラブルなく、順調にメニューを消化。「暑さが厳しい中でもカイバは食べているし、ほぼ万全の状態です」と太鼓判を押す。障害センスについても「走りながらの流れでしっかり飛ぶので上手だと思います。調教を見ていてジョッキーとも手が合いそうですね」と不安は感じられない。
オルフェーヴルや
ゴールドシップ、さらにはハードル界にも
オジュウチョウサンなど数々の名馬を送り出した
ステイゴールドだが、現役馬の産駒は中央でわずか7頭のみ。その最終世代となる
マイネルファンロンと寄り添い続ける神原厩務員が新たに挑む第2章が順調な船出となるよう心から応援したい。(松井 中央)
スポーツ報知