昨年10月にGI「
菊花賞」を制した
アスクビクターモア(牡4=田村)が8日、放牧先で熱中症による多臓器不全のため急死した。日本
中央競馬会(
JRA)が9日、発表した。放牧先は明らかにしていない。現役G1馬の熱中症による死は過去に例がなく、競馬界に衝撃が走っている。
連日の猛暑が続く中、現役G1馬の熱中症による突然死の衝撃は大きく、廣崎利洋オーナーをはじめ、関係者はコメントを出せる状況にないという。
現役G1馬の熱中症による死は、本紙の調べでは過去に例がない。
JRAによると「熱中症を起因とする症状はさまざまで、過去も含め熱中症が死因となった可能性のある馬の正式な数は把握していない」という。現役G1馬が競走中や調教中の事故以外で死ぬケースはまれで、最近では22年1月に18年のダービー馬
ワグネリアンが胆石による多臓器不全で、現役のまま7歳で死んだ例がある。
アスクビクターモアは
ディープインパクト産駒で、20年のセレクトセール1歳セリで1億8700万円の高値で落札された。21年6月にデビュー。昨年5月のダービーでは
ドウデュース、
イクイノックスと現役最強クラスに次ぐ3着と好走。同10月の
菊花賞ではコースレコードをマークし、G1初制覇を飾った。その後は3戦して白星がなく、今年6月の
宝塚記念11着後に休養に入り、秋の復帰に向けて調整を開始する直前の悲劇だった。
アスクビクターモア 父ディープインパクト 母カルティカ(母の父レインボウク
エスト)19年4月1日生まれ 牡4歳 美浦・田村厩舎所属 馬主・廣崎利洋HD 生産者・北海道千歳市の社台
ファーム 戦績12戦4勝(重賞2勝=22年
菊花賞、
ディープインパクト記念
弥生賞) 総獲得賞金3億4527万5000円。
スポニチ