サマーマイルシリーズ第3戦「第58回
関屋記念」が13日、新潟競馬場で行われ、4番人気
アヴェラーレが待望の重賞初制覇。前日12日に
JRA通算1400勝を達成した
戸崎圭太(43)は、
関屋記念3勝目となった。
マイル王・戸崎の真骨頂を見た。末脚に自信を持った有力馬たちが内に殺到した直線。戸崎と
アヴェラーレは馬群に閉じ込められた。だが、春のマイルG12勝の鞍上に焦りはない。一瞬のチャンスをうかがい続けた。戸崎は「返し馬から本当にいい雰囲気で終始、手応えが良かった。馬群を割って来られる手応えでした」と振り返った。
2番枠からスタートを決めて中団インを確保。スムーズに直線を向いたが、眼前には4頭が横一線に。前の馬たちが追いだし始めても、
アヴェラーレにはスペースがない。だが、残り300メートル付近でわずかに生まれたスペース。一瞬で後方を確認した戸崎に導かれると、後はメンバー最速タイの上がり3F32秒8で突き抜けるだけだった。「スタートと位置取りに気を使って乗りました。いい位置でいい競馬ができた」と満足そうに汗をぬぐった戸崎。
ソングラインと狭いインを突き抜けたヴィクトリアMのような勝負勘だった。
今週5勝と絶好調の木村師にとっても格別な1勝だ。同馬の
母アルビアーノが制した15年
フラワーCが同師にとっての重賞初勝利。
イクイノックスという世界No・1ホース擁する木村厩舎の礎を築いたのが
アルビアーノだった。木村師は「彼女にしてあげられなかったことがある悔しさを背負いながら仕事をしているけど、またプレゼントをもらった感じです。これで血統の価値も高まったと思うし、ファミリーの枝葉が広がっていけば」とかつての愛馬を思って目を細めた。
5歳夏で手にした重賞初タイトル。木村師は「現実的に考えて、この舞台(マイル)が合っていると思います。賞金を加算できたので自分の行きたいところへ行けると思う」と説明した。今後は放牧に出され、狙うはマイルの
ビッグタイトルか。戸崎は「本当に調子がいいなと。もっと上を目指して頑張ってほしいと思う」と先での活躍を予言。マイルの頂を知る男の賛辞が、何より頼もしく聞こえた。
スポニチ