早いもので、今シーズンの門別開催も折り返し地点を過ぎた。
ブリーダーズGCを境目にして、朝晩に秋の気配が忍び込んでくるのが例年の日高地方だが、異例の暑さが続く今年の夏は、そう簡単に引き下がってくれなさそうである。
また、何より今週は台風の進路が気がかりだ。レース当日は雨予報が出ており、多少の馬場悪化は考慮しておくべきだろう。ただ、今年の白砂は、水の浮く不良馬場にならない限り、タイムの出方に変化がない。馬場状態に惑わされないよう注意したい。
今年は8頭立てという寂しい頭数になった。古馬牝馬というカテゴリーにおいては、
JRA勢が圧倒的優位であり、今年も
JRA勢同士の争いであろう。
JRA勢5頭の比較では、
プリティーチャンスと
テリオスベルが、地力・実績で抜けた存在であり、素直にこの2頭を高く評価すべき。2頭とも昨年に続いての参戦で、昨年はそれぞれ2着、3着だった。
どちらを上に取るかは悩むところだが、筆者は後者を選んだ。というのも、
テリオスベルはスタートの遅さを如何にスムーズにリカバーできるかが肝要な馬であり、12頭立ての2番枠でその点に苦しんだ昨年より、8頭立ての6番枠の今年の方が明らかに好条件だからである。スタミナ勝負に持ち込めれば、勝機十分だ。
昨年は3歳馬
グランブリッジが勝利したわけだが、芝と比べて古馬層の新陳代謝が遅いダート戦にあって、斤量利も大きくないとなると、決して3歳馬に有利な条件とは言えない。
今年の
パライバトルマリンも人気を集めそうだが、やや平凡な決着タイムだった
関東オークスの内容から、過度な信頼はしづらい。もちろん、裏を返すと、ここで勝てば
グランブリッジ級の将来が約束されるということである。
オープン入りしたばかりの
カラフルキューブ、
グランスラムアスクにとって、ここはこの先の路線を占う試金石的な印象が強い。地元勢の
ネーロルチェンテ、
ウワサノシブコに関しては、どちらも距離は向くタイプだけに、何とか存在感を示してほしいところだ。
(文:競馬ブック・板垣祐介)