「
札幌記念・G2」(20日、札幌)
豪華メンバーが顔をそろえた北都の“スーパーG2”を制したのは、川田騎乗の2番人気
プログノーシス。5歳夏にして開花の時を迎えた
ディープインパクト産駒が、3月の
金鯱賞以来となる重賞2勝目をマークした。飛躍の手応えを胸に、今後は
天皇賞・秋(10月29日・東京)を見据える。4馬身差の2着に9番人気の
トップナイフ、3着には4番人気の
ソーヴァリアントが入った。なお、1番人気の
ジャックドールは6着に敗れた。
稍重発表以上にタフさが求められた今年の北都決戦。勝負どころでG1馬3頭が脚を取られて苦しむなか、中内田師&川田の強固な絆で育ててきた大器
プログノーシスが、圧巻の走りで堂々とゴールを貫いた。
序盤は後方2番手を追走し、馬のリズムを重視。向正面でインからスルスルと進出すると、先行勢の脱落を横目に4角では2番手に躍り出た。比較的馬場のいい外めからスパートを開始し、直線では川田の右ステッキに呼応。メンバー最速の上がり3F36秒0のスピード&
パワーを見せつけ、後続を突き放して高らかに“本格化”をアピールした。
この日の札幌5Rで区切りのJRA年間100勝に到達した川田は、先週の
小倉記念(
エヒト)に続く重賞V。G2制覇で勝ち星をさらに一つ上積みした。「正直、返し馬はそんなに良くなかったのでこの馬自身、どういう走りができるのかということに重きを置いて乗りました」と振り返るが、終わってみればラストは後続に影をも踏ませぬ圧勝劇。コンビ6戦6勝とした大器のVに「馬場適性の差もあったと思う。ポテンシャルは高いが、それを発揮するのが難しい馬」と厳しさを見せつつも、強豪撃破に「きょうは胸を張っていい内容だったと思います」と褒めたたえた。
「驚きました。こんなに強いとは」。想像を超える走りに、社台
ファームの吉田照哉代表も舌を巻く。馬名の由来はギリシャ語で“予知”。「これで大きなところを意識できる。
天皇賞・秋?もちろんそうだよね。黙っていてもそこになる」。陣営には、秋の府中で直線はじけるシーンがハッキリと描けている。
提供:デイリースポーツ