8月21日は「
パーフェクトの日」。今から53年前のきょう、プロボ
ウラーの中山律子選手が府中
スターレーンで開催されたプロ月例会の優勝決定戦で、女子プロボ
ウラー初の
パーフェクトゲームを達成したことから制定された。一般社団法人・日本記念日協会にも掲載されている。
競馬で“
パーフェクト”といえば、ウマ娘のゲーム内で“
ミスパーフェクト”の二つ名を持つ
ダイワスカーレットが思い当たる。12戦8勝、2着4回。生涯で連対を外したことが無く、完璧に近い成績を残した。本稿では彼女の蹄跡を振り返ってみたい。
父アグネスタキオン、
母スカーレットブーケ、母の
父ノーザンテーストという血統。名マイラーにして名種牡馬となった
ダイワメジャーが兄にいる。そのほかにも一族を見渡せば芝、ダート問わず重賞勝ち馬が多数。粉うことなき、良血馬の一頭だ。
本馬を語るうえで避けて通れないのが
ウオッカの存在。牝馬として64年ぶりのダービー制覇を達成する同馬とは、生涯5度の対決を経て好敵手といわれる存在になる。初顔合わせとなった
チューリップ賞から始まり、
桜花賞や
秋華賞、
有馬記念…そして、最後の激突となった
天皇賞(秋)まで何度も好勝負を演じ、
ダイワスカーレットが3度先着。2頭は牝馬の筆頭格から、世代の中心──最後は日本競馬をけん引する存在へと昇華していった。
中でも08年の
天皇賞(秋)は今でも語り草となっている一戦。このレースでは、前年にGI・3勝を挙げた本馬と、
安田記念を制して復活果たした
ウオッカ、後輩ダービー馬
ディープスカイがゴール前で死闘を演じた。一度は
ウオッカ、
ディープスカイが前に出たかに思えたが、驚異的な粘りと根性で
ダイワスカーレットが差し返し、最後は写真判定となる大接戦。結果は“2cm”ともいわれる僅かな差で
ウオッカが勝利したが、両者のラ
イバル関係を改めて印象付ける名レースとなる。
ウオッカのリベンジを許した
ダイワスカーレットだったが、続く
有馬記念では再び白星を飾った。8枠13番と決して恵まれた枠順ではなかったが、二の脚鋭く先手を奪うと、11秒台の厳しいラップを並べて他馬を翻弄。4コーナーで後続が一気に差を詰めたが逆に突き放し、ゴールの2、3完歩手前で鞍上が勝ちを確信するほどの大楽勝を見せた。牝馬の
グランプリ制覇は37年ぶり4頭目の快挙。翌春に屈腱炎を発症し、結果的にこれがラストランとなったが、“
ミスパーフェクト”の名に相応しい完璧なレースを披露したのだった。