先月22日の中京芝1600メートル新馬戦で3馬身差の快勝を決めた
ルクスノアの手綱を取ったのはデビュー3年目の
永島まなみ。ゲート試験前から調教で騎乗。レースに向けて何度もコンタクトを取り続けてきた馬での勝利だった。
戦前から自信はあった?「
バランスがいい馬だなって印象はありましたが、気持ちが前向き過ぎる分、折り合い面に苦労するところがあって…。次につながるレースができれば、と思っていました」と永島はレース前の偽らざる心境を振り返ってくれた。
オルフェーヴル産駒の牝馬らしい、気性面での難しさがあったようで、日ごろからケアをする森部厩務員いわく「普段はのんびりしているんですが、
パニックになりやすいところはあります。怖がったり、カァーッとなったり…」。騎手、厩舎サイドとも実戦でそんな面が出てしまわないか、不安の中で迎えたレースだったのだ。
8頭立てで行われた新馬戦は、好スタートを決めると、馬なりのまま3番手を追走。道中は脚をためる競馬を選択した。
「最初は2番手で行こうと思ったのですが、岩田(望)さんの馬が行くのが分かったので我慢する競馬を選びました。調教で我慢を教えていた成果が出たのか、折り合いはしっかりついていましたね」
好位をキープしたまま直線へ。満を持して鞍上が仕掛けるとグッと脚を伸ばし、楽々と逃げ馬を捕らえてみせた。
「直線では切れる脚で伸びてくれましたけど、抜け出してからはフワフワしていた感じも。そのあたりは新馬らしい幼さが残っていたからだと思います」
永島はレースをそう振り返りながらも、
ルクスノアがマークした上がり35秒1は次位に0秒8差をつける圧倒的なもの。まだまだ未完成でも、それだけの脚を披露できるのだから期待は一層、膨らむ。
この中間はノーザン
ファームしがらきでの短期放牧を挟み、
新潟2歳S(27日=新潟芝外1600メートル)に向けて順調に調整を進めてきた。16日の1週前追い切りでは前日の台風の影響で馬場が渋る中、永島を背に坂路で4ハロン51.1-11.9秒の猛時計をマークする抜群の動きを披露している。
「レース当週は輸送があるので、1週前追いでビッシリと。かなり手応え良く行けました」と好感触を伝えた永島は「もともと
バランスのいい馬でしたが、“芯”ができた感じがします」と初戦からの確かな成長も明かしてくれた。
永島自身もすでに昨年の
JRA21勝を上回る23勝を挙げているうえに、今夏の
CBC賞、
小倉記念で重賞騎乗を果たすなど「飛躍の年」になっている。3度目となる重賞騎乗に向けて「ゲート試験前から乗せていただいた思い入れのある馬。だからこそ、馬の力を出してあげられるように頑張りたいです」とその目には確固たる決意が表れていた。
フレッシュなガールズコンビが来年の牝馬クラシック戦線をにぎわす存在に躍り出るのか。
新潟2歳Sはこれこそが一番の焦点になるのかもしれない。
(明神 瑠)
東京スポーツ