今週は昨年の
エルムSウイーク以来となる久々の札幌出張。涼しい北海道で、美浦トレセンよりも快適な取材ライフを満喫するはずが…。21日に新千歳空港に到着するやムシムシとした暑さで、あっという間に汗びっしょりに。先月から現地入りしている専門紙トラックマンに話を聞くと、何と今年の夏はずっとこの調子で高い気温が続いているのだという。
23日朝には北見市の小学校が暑さのため臨時休校になったとのニュースが耳に入ってきた。なんでも暑さが理由の臨時休校は北海道の長い歴史の中でも初めてのことなのだとか…。どうりで暑いわけだ。
暑さに苦しんでいるのは人間だけではない。例えば
キーンランドCにエントリーしている
ナムラクレア。春の
高松宮記念2着馬で、最終追い切りでも実に軽快な動きを披露。何の不安もなく順調に仕上がったように見えたが、管理する
長谷川浩大調教師は「いや、これだけの暑さですから。やはり楽ではないですよ」と苦笑いを浮かべる。
「気温の高さもそうですし、
ナムラクレアのように函館から輸送してくるケースもあるわけですから、暑さ対策などコンディショニングには慎重になりますよね。せめて馬房にエアコンがあれば違うんですが、小倉や新潟と違って北海道にはないんです。函館の場合は潮風があるので、まだしのげますけど札幌は…。馬のことを考えると、北海道の馬房にもエアコンがあったらいいなと」
この時季の調整の難しさを改めて思い知らされつつも、
ナムラクレアに関しては陣営の周到な準備もあって、やはり状態面は申し分ないこともまた確認できた。
昨年は函館ス
プリントS(1着)→
北九州記念(3着)と夏場に2戦するローテーションだったのに対して、今年はこの
キーンランドC1本に絞っての参戦。その違いについてトレーナーはこう説明する。
「昨年はまず賞金加算という目的がありましたからね。対して今年は重賞勝ちの積み重ねがある分、ハンデ戦を使うとなると斤量が重くなりますし、9月の
セントウルSからだと
スプリンターズSまでのレース間隔が短い。となると輸送の負担はあっても
キーンランドC(27日=札幌芝1200メートル)を使って本番に向かう形がベストだと考えたんです。輸送も函館を挟んで札幌入りすることで、なるべく負担を減らすようにしました。最終追い切りでは力みも見られず、気分良く走れていましたし、いい状態で前哨戦を迎えられそうです」
1200メートルに限れば[4-1-1-1]とほぼ完璧な成績を残している現役屈指のス
プリンター。暑さにも負けず仕上がり良好となれば、前哨戦から勝ち負け必至とみていい。
(札幌のつぶやき野郎・藤井真俊)
東京スポーツ