先週は関東、関西よりも高い気温になることもあった北の地・札幌。厩舎地区でスタッフと顔を合わせるたびに「暑い」「暑いなあ」「暑いとしか言葉が出てこない」といった会話に。そんな調子で汗をだらだらと流しながら、情報を拾いに行った先がGIII
札幌2歳S(9月2日=札幌芝1800メートル)に出走する
ガイアメンテの馬房である。
改めてその新馬戦(札幌芝1800メートル)を振り返ってみると…。スタートこそひと息だったものの、無理することなく逃げた
コルレオニスをマークする形で番手を追走。4角から促されるとスッと加速して先頭に立ち、そのままの勢いでゴールを駆け抜けた。最後は流し気味の優等生の競馬で2馬身差完勝。何より手綱を取った
武豊が「強かったね。ス
トライドが大きいし、安心して乗っていられた。今後が楽しみな馬だね」とめっぽう高い評価をしていたとなれば、関係者にじっくり話を聞いておく必要がある。というわけで
ガイアメンテ担当の山田助手を直撃してみたところ…。
「初戦はかなり大物感を感じさせる走りでしたよね。品のある馬で(武)豊さんもゲート裏の段階でだいぶ気に入っているようでした。レースで少し(ハミを)かんでいたのはこの馬のクセ。コーナーを逆手前で走ってはいたけど、最後に手前を替えて、もうひと伸びしてくれました。とにかく豊さんのレース後の感触がやっているこちらの心にも響いたというか、手応えを感じさせてもらいました。短期放牧を挟んでフレッシュな状態。元気いっぱいだし、モマれる競馬になっても特に問題はないと思っています。ここもいい走りを期待していますよ」
やっぱり不動の主役は
ガイアメンテで間違いなしと確信して取材を切り上げようとしたところ、もう一頭の担当馬が同じく
札幌2歳Sに出走する
ウールデュボヌールと判明。ならば取材を続けて損はないはずだ。
「初戦(札幌芝2000メートル)は先頭に立つと物見をして進んで行かない感じに…。それでも最後のゴール前の競り合いでは勝負根性を見せてくれたし、ラスト5ハロンはいずれも12秒台のラップが並ぶ中でしたから持続力の高さも見せてくれましたね。中1週での競馬になるけど、走った後もダメージはなかったし、前回の厳しい競馬が今回につながってくれれば。
ガイアメンテとはまた違うタイプ。異なる2頭を担当できるのは楽しいし、やりがいがありますね」
ウールデュボヌールの新馬戦はアタマ差の辛勝だったとはいえ、侮れない存在であることを確認できたのもまた大きな収穫となった。
熱中症対策のために
コントレイルの帽子をかぶって臨んだ今回の取材だったが、記者席に戻って帽子を取ると、ツバの裏が汗で乾燥して塩を吹いたような状態に。いや、よくよく見ると表にまで塩の跡が…。全身汗まみれになってまで長時間取材を敢行した成果が出てくれると信じたいものである。
(芝井淳司)
東京スポーツ