キャリアの浅い馬同士のレースだが、小倉競馬場芝1200mはスタート直後からなだらかな下りが続くためハイペースになりやすい。過去10年で前走1200mを経験している馬が9勝と距離経験は大事な
ファクターだ。
◎
パッシングシャワーは小倉競馬場芝1200m新馬戦優勝馬。1番枠から出遅れてしまったが、馬群の狭いところへ割って入るようにすぐにリカバリー。最後も鞍上の意のままに11.3秒、11.7秒のレースラップをインから楽に抜け出した。デビュー戦とはいえ、古馬のような操作性の高さが印象に残る1戦だった。父のイフラージはゴーンウェスト系
ザフォニックの直仔で
ジュライC2着馬。祖
母ダンシングレインは英、独
オークス優勝の名牝。一族はメイビー(全欧2歳牝馬チャンピオン)
サクソンウォリアー(英2000ギニー)などを送る名血だ。ス
プリンターというよりもマイラー色の濃い血統だが豊かな将来性が垣間見える血統馬だ。
〇
ビッグドリームは福島競馬場芝1200m優勝馬。抜群のダッシュでハナを切る勢いだったが、行きたい馬を行かせて好位追走。逃げた馬も渋太かったが、軽く気合を付けられる程度でこれを交わすと最後は流すようにして6馬身差。父
ビッグアーサー譲りのスピードを見せた。ストームキャット3×3の母は米国3勝馬で、現役オープン馬
ビッグシーザーの母。1分10秒2の勝ちタイムは特筆すべきものではないが、500kgを超える大型馬のデビュー戦。最後は流していたことを考えると、数字以上の価値がありそうだ。
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アスクワンタイムは中京競馬場芝1200m未勝利戦優勝馬。全兄姉に重賞勝ち馬がいる血統。デビューからの2戦いずれも最速の末脚を繰り出しているように大人びた競馬ができるのがセールスポイント。位置取りが後ろ過ぎたデビュー戦は逃げ切りを許したものの2戦目はあっさりと突き抜けた。中京競馬場で初勝利を記録して挑むのは、本馬の全兄で18年優勝馬
ファンタジストと同じ。注目の1頭だ、
△
ミルテンベルクは阪神競馬場芝1200m優勝馬。スタートは1番だったが2番手から。やや力むようなシーンもあったが、持ったままで先頭に並びかけるとそのまま後続を突き放した。当時の2着馬が次走であっさりと勝ち上がっているあたりも評価できる部分だ。祖
母プンティラは独
オークス馬で、母は
JRA4勝馬。まだ粗削りだがスピードの絶対値は高い。
△
キャンシーエンゼルは中京競馬場芝1200m優勝馬。先行する構えを見せたが2番手から。前半34.2秒のペースを追いかけ、そのまま直線に向くとダイナ
ミックなフォームで2馬身半突き抜けた。坂のある中京競馬場で最後2ハロンのレースラップが11.5秒、12.0秒だから優秀だ。