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1カ月後に迫る凱旋門賞 日本馬スルーセブンシーズの勝機は?

デイリースポーツ
  • 2023年09月05日(火) 09時00分
 今年こそ日本馬の悲願達成なるか。世界最高峰の芝G1・凱旋門賞(10月1日・仏パリロンシャン、芝2400メートル)が1カ月後に迫っている。ドウデュースタイトルホルダーの参戦で沸いた昨年と違い、今年はイクイノックスのような横綱級が不在。ただ、宝塚記念でその横綱に首差まで迫ったスルーセブンシーズ(牝5歳、美浦・尾関)が、単騎で世界の頂きに挑むのだから応援せざるを得ない。

 2日時点で大手ブックメーカーのウィリアムヒルが設定しているスルーセブンシーズのオッズは、単勝17倍の6番人気タイ。重賞タイトルは23年中山牝馬Sのみと実績は劣るが、やはり世界No.1レーティングを保持するイクイノックスを追い詰めた宝塚記念の走りを評価されているのだろう。

 並み居る欧州のトップ級を相手に勝機はあるのか-。個人的には“人気以上にやれる”と思っている。

 19年凱旋門賞を現地で取材した筆者がポイントに感じているのは“馬格”。当時、参戦したキセキ(7着)ブラストワンピース(11着)やフィエールマン(12着)は、500キロ以上かそれに迫る馬格の持ち主だった。これらの馬たちはパリロンシャンの重い芝にノメってしまい、力を出せずに終わっている。ちなみに勝ったヴァルトガイストは牡馬として小柄で、18年香港ヴァーズに出走した際の馬体重はわずか419キロである。

 過去に好走した日本馬を見ても、99年2着のエルコンドルパサーは、最後に日本で出走した時の馬体重は472キロ。06年3位入線(その後失格)のディープインパクトは430〜440キロで、10年2着のナカヤマフェスタと12、13年2着のオルフェーヴルも460キロ前後だった。2000年以降、500キロ以上で日本国内を走ったことのある馬は<0・0・0・16>と壊滅していることから、豊富な馬格は凱旋門賞を走る上で“足かせ”の可能性があるとみている。

 気になるスルーセブンシーズは440キロ台で、馬格は合格点。血統を見ると母系はダート寄りだが、父はスタミナに富んだドリームジャーニー。同父は前述のオルフェーヴルの全兄にあたるのだから、欧州への馬場適性を秘めていても不思議はない。

 今年も日本国内で馬券が発売される凱旋門賞。歴史的偉業が達成される可能性は大いにあると思っているだけに、今から胸が高鳴っている。(デイリースポーツ・刀根善郎)

提供:デイリースポーツ

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