10日(日)の高知競馬1R・2歳新馬(ダ800m)で、
マルロス(牡2、高知・
那俄性哲也厩舎)がデビューを迎える。
同馬は父
カイロス、
母ディアマルコ、母の
父スパイキュール。見慣れない血統かもしれないが、この配合にはドラマがある。
父は13年をもって廃止となった福山競馬の出身。最後の福山ダービーを制すなど連戦連勝の活躍で「福山最後の怪物」などと称された。その後は大井で6歳夏まで過ごし、晩年は高知に移籍。兵庫に遠征して重賞・園田FCス
プリントを勝利するなど短距離戦で活躍し、8歳で引退した。通算成績は71戦29勝(うち重賞6勝)。
母は15年に高知競馬でデビュー。
兵庫サマークイーン賞を3連覇するなど全国の牝馬重賞で活躍し、18年の
JBCレディスクラシック(京都)では
JRAの舞台も経験した。売上減少で一時は廃止の危機に瀕していた高知競馬。だが、復活の流れにのって本馬が活躍したことで「高知復活の象徴」とも称された。通算成績は52戦21勝(うち重賞9勝)。
引退後、無事に繁殖入りを果たした2頭から生まれたのが
マルロス。馬名には『父名と母名の組み合わせ』という意味がある。まさに両馬への思いが詰まった1頭といえるだろう。
また、管理する
那俄性哲也調教師は元・福山競馬場の騎手、調教師。そして、初戦の手綱を執る
佐原秀泰騎手は父・母の主戦でもあった。不思議な縁でつながった人馬。福山や高知の関係者の思い、ファンの思いを乗せて、本馬はデビューを迎える。ドラマチックな勝利を飾るか、日曜の高知1Rから目が離せない。