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マースプリントシリーズ最終戦「第37回
セントウルS」は7日、出走馬が確定した。先週3日の小倉2歳Sを4歳下の全弟
アスクワンタイムが制し、血の勢いに乗る
ボンボヤージが木曜追い。7日の栗東坂路一番時計となる4F50秒5をマークした。馬場入りを嫌がって陣営は苦笑いだが、それもまた個性。弟からのバトンを姉が受け取り、昨年
北九州記念以来のVを狙う。
この馬の個性と言うべき我の強さが前面に出た。馬場開場から2時間以上がたち、閑散としている午前7時半過ぎ。
ボンボヤージはポリトラックで最終追いを予定していたが、馬場入りをごねて動かない。鞍上の川須、担当のとぎ屋(とぎや ※「とぎ」の漢字は石へんに刑)助手が機嫌を損ねぬよう慎重に促しても、納得してくれない。切り替えて坂路に向かうが、その時間帯はハロー(整地)中のため今度はBコース周辺へ。川須が馬上から下り、その気になるのを辛抱強く待っても変わらない。再び坂路に向かい川須からとぎ屋助手に乗り替わると、やっと納得したのかコース入りしてスピードに乗り出す。馬なりで駆け上がり、この日の一番時計4F50秒5をマーク。さすがの脚力を披露したが、時刻は8時18分。追い切り予定時刻から40分ほど経過していた。
梅田師は「今までで一番ごねたな」と苦笑い。ジョッキー騎乗でスイッチが入り、馬場入りを嫌がったことは何度もあったが、ここまで時間を要したのは初めてだった。「中間の調整は順調だったし、今日も動き自体は良かったけどね。ただ…、コメントのしようがないな」と嘆き節だった。
3日の小倉2歳Sを4歳下の全弟
アスクワンタイムが勝ち、1歳上の全兄
ファンタジストも重賞を2勝した。梅田厩舎の活躍を支えているきょうだいで、指揮官はその共通点を「オンとオフがある。普段ボーッとしていても、競馬とか追い切りになるとスイッチが入るよね」と言う。この重賞ウイナー3頭全てに携わっているとぎ屋助手も「どの馬も乗り味が良く、背中が凄くいいんです」と絶賛する。その中でも
ボンボヤージについては「牝馬で気難しさがある」(梅田師)と特徴を挙げている。
昨年の
北九州記念を16番人気で勝ってから3戦連続で2桁着順と低迷。ただ、連覇が懸かった前走の
北九州記念が5着で復調を感じさせた。梅田師は「(ごねても)ゲートが開いてしまえば大丈夫だからね」と気を取り直し「(
アスクワンタイムに)続けて頑張ってくれればいいね」と、弟の活躍に奮起する復活劇を期待した。
スポニチ