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紫苑S・G2」(9日、中山)
G2昇格年に、横山典マジックがさく裂だ。名手のリードに導かれ、4番人気の
モリアーナが重賞初制覇を達成した。道中の位置取りはまさかの最後方。4角をパスした時点でもまだ14番手と絶望的なポジションだったが、そこからスルスルと馬群を縫って追い上げると、最後は押し切り間近の
ヒップホップソウルをもあっさりとかわし去った。
パートナーの持ち味を最大限に引き出した鞍上は「もともと能力のある馬だからね。きょうは休み明けの分、体の使い方はモタモタしていたけど、いい感じではじけてくれました」と満足そうに振り返った。55歳6カ月18日での重賞制覇は、JRA重賞最年長勝利記録を塗り替える
メモリアルVとなった。
管理する武藤師も想像以上の末脚に目を丸くする。「道中はあの位置だったのでハラハラしたけど、坂を上がってからすごい脚を使ってくれた」と驚きを隠せなかった。早い段階から素質を評価されるも、かみ合わないレースが続いた春。そこで今回はジョッキーの進言もあり、初の二千へ挑戦を決めた。するとガッチリ歯車がかみ合い、鮮やかな快勝劇。「折り合いはついていたね」と指揮官は手応えをにじませた。
次に見据えるはもちろん、権利を獲得した
秋華賞(10月15日・京都)。最強女王
リバティアイランドに堂々と挑戦状をたたきつける。「きょうの内容なら胸を張って行ける。楽しみになりましたね」とトレーナーは不敵に笑った。
提供:デイリースポーツ