今週は土、日、月の3日間開催。秋の阪神開催のこの週にデビュー勝ちを決めた馬といえば、2019年9月15日の阪神芝1800mを勝った
コントレイル(
父ディープインパクト)。その後に東京スポーツ杯2歳Sを勝つと、
ホープフルSでGIを初制覇。3歳になってからも勝ち続けて、無敗の牡馬三冠(
皐月賞、
日本ダービー、
菊花賞)を達成。
菊花賞後に挑戦した
ジャパンCで連勝がストップすると、なかなか勝ち切ることはできなったが、引退を表明して出走した2回目の
ジャパンCで勝利。レース後に涙を流す
福永祐一騎手を背に有終の美を飾った2021年秋は記憶に新しいところだ。
【9月17日(日) 阪神ダート1800m】
◆
サンライズガッツ(牡、父
レイデオロ、
母メジロマリアン、栗東・
安田翔伍厩舎)
2022年セレクトセール1歳にて、4400万円で落札されており、半兄に2022年
レパードSを勝った
カフジオクタゴン(父
モーリス)がいる。父
レイデオロは今年2歳世代の新種牡馬になるが、9月3日までの段階で勝ち上がりが2頭とスロースターターな序盤戦といった感じ。
本馬は7月6日にゲート試験を合格した後、リフレッシュ放牧に出て、8月17日にノーザン
ファームしがらきから栗東へ帰厩。先々週までの段階ではまだ目立った時計を出していなかったが、9月8日に古馬1勝クラスとの併せ馬を先行して、遅れはしたものの、4F52.8秒をマーク。やれば動くということは確認できただけに、あとは最終追い切りでどんな調整を見せてくるかだろう。
【9月17日(日) 阪神芝2000m】
◆
サンブノワ(牡、父
ブリックスアンドモルタル、
母サンティール、栗東・
斉藤崇史厩舎)
母系に
ステイヤーズS2着の重賞実績がある
ユニバーサルバンク(
父ネオユニヴァース)がいる血統。父
ブリックスアンドモルタルは今年の新種牡馬。新馬勝ちの頭数はさほど多くないものの、デビュー戦を経て2戦目で勝ち上がる馬も出てきて、少しずつ産駒の傾向が見えてきた感じもする。
本馬は8月に栗東へ帰厩してから坂路で順調に追い切りを消化。8月31日はレースでも騎乗予定の
団野大成騎手が跨り、坂路で新馬との併せ馬。先着した内容はもちろん評価できるが、それ以上に4F52.1秒、2F24.6秒と全体も終いも速い時計が出た点が魅力。1週前追い切りは坂路4F54.6秒と時計は目立たないが、動きには余裕が出てきたようなので、最終追い切りではしっかりと出走態勢が整いそう。
【9月17日(日) 中山芝1200m】
◆
マイネルティグレ(牡、
父スクリーンヒーロー、
母マイネエレーナ、栗東・
西園正都厩舎)
全兄に同厩舎で管理され、芝1400m以下の距離で4勝を挙げている
マイネルジェロディ、母系には札幌ス
プリントSを連覇した
ノーブルグラス(
父ミルジョージ)がいる血統。
本馬は6月23日にゲート試験を合格すると、一旦放牧に出されて、8月に栗東へ再入厩。週中はCWでの追い切りをこなしているが、9月7日のCWは古馬3勝クラスを追走して、6F81.0秒をマーク。最後の直線は11.7秒、11.9秒と最後までしっかりした脚を見せている。「追い切りの動きはやるたびに良くなっていますね。デビュー戦に関しては、中山芝1200mだけではなく、マイルあたりまで視野に入れてもいいのかなと思っているところ」と
西園正都調教師。ということで、今週の芝マイル以下の番組のどこかでデビューということになるかもしれない。
【9月18日(月) 阪神ダート1400m】
◆
ウーナグローリア(牝、父
ニシケンモノノフ、
母バイカオウレン、栗東・
吉田直弘厩舎)
父
ニシケンモノノフは2017年
JBCスプリントを勝っており、
JRAで活躍する代表産駒には中京ダート1400mで未勝利を勝ち上がり、中京芝1400mで1勝クラスを勝った
ペイシャフラワー(栗東・
高橋康之厩舎)がいる。
本馬は8月31日に坂路で新馬を追走する併せ馬で先着。4F52.5秒という全体時計も評価できるが、2F24.7秒、1F12.0秒と後半の脚力がしっかりしている。先週のCWでは同じ新馬に先行して、これまた先着。6F83.6秒と時計自体はさほど目立たなかったが、楽に動くことができていた。「坂路ではいいスピードを見せてくれましたし、CWの追い切りでも動けています。楽しみですよ」と
吉田直弘調教師。なお、鞍上は藤岡康太騎手が予定されている。
(取材・文:井内利彰)