◆第41回
ローズS・G2(9月17日、阪神競馬場・芝1800メートル)
牝馬3冠最終戦、
秋華賞切符をかけた第41回
ローズS・G2(17日、阪神=3着までに優先出走権)に、遅れてきた“怪物”
ブレイディヴェーグが出走予定だ。2度の骨折で春はクラシック出走はかなわなかったが、ここまで3戦で見せた能力は非凡そのもの。栗東滞在&鞍上ルメールと万全を期し、女王
リバティアイランドへの挑戦権をもぎ取る。
ブレイディヴェーグは8月下旬に帰厩。美浦トレセンは坂路が改修中のため、9月1日に栗東へ移動した。1週前の7日にCWコースで馬なりながらラスト1ハロン11秒5の好時計をマーク(5ハロン67秒9)し、2馬身半追走した僚馬に併入。沢江助手も「カイバ食いも良くなって走れる態勢です」と手応えを口にした。
遅れてきた“怪物”だ。
母インナーアージは15年に
オークス、
秋華賞を制した
ミッキークイーンの全姉。デビュー前から評判だった良血は昨年8月の新馬戦は頭差の2着ながらも、上がり3ハロン32秒3の末脚を繰り出し能力を証明した。しかし、レース後に左前脚の第1指骨に剥離(はくり)骨折が判明。約6か月後の未勝利は6馬身差で圧勝も今度は右前脚の第1指骨を剥離骨折し、休養を余儀なくされた。
復帰戦は6月25日の1勝クラス。ノーステッキで後続を3馬身半突き放し、勝ちタイム1分57秒9は前日の3勝クラスを2秒2上回った。女王
リバティアイランドにも見劣らない鮮烈な勝ち方に、沢井助手も「あんなに切れるとは思わなかったのでビックリしました」と興奮気味に振り返った。
鞍上にはルメールを確保し、13日の追い切りも騎乗予定。万全の態勢を築いた陣営の勝負気配が伝わってくる。同助手は「まだ1勝クラスを勝ったばかりですから」と謙遜しながらも、「今回はみんな挑戦者ですし、楽しみではあります」と言葉に力を込めた。春の忘れ物を取り返しに、まずは
トライアルで勝ち名乗りを上げる。(角田 晨)
スポーツ報知