7月中旬からドイツに遠征中の
小崎綾也騎手=栗東・フリー=が、9月10日の
デュッセルドルフ4R(芝1600メートル)をネリオン(牡3歳)で制し、ドイツ初勝利を挙げた。同馬の調教師で、今回の受け入れ先でもあるピーター・シールゲン厩舎は、11年の
凱旋門賞を
デインドリームで勝つなどトップステーブルとして君臨。ドイツで3年連続リーディングジョッキーに輝き、短期免許で来日していたBムルザバエフ騎手が今春まで所属していた厩舎でもある。
ネリオンは53キロの軽ハンデだったこともあり、騎乗依頼があった。小崎騎手は「前走で乗っていた、レネ・ピーヒュレク(
トルカータータッソで21年の
凱旋門賞をV)に的確なアド
バイスも聞けて、その通りに乗れました。
デュッセルドルフ競馬場はアップダウンも激しくてコーナーも急ですし、馬の
バランスに特に気をつけていました。日本とは
バランスの取り方も違う面もあります」と、自身のドイツ6戦目でチャンスをモノにした。
国際ルールの統一、動物愛護の観点で、
JRAでは23年から1レース内でムチの使用が連続5回までになった。2完歩あければまた5回使えるというわけだが、ドイツは1レースで合計3回までしか使えない。4回の使用で14日間、5回使用で加重制裁でプラス42日間の騎乗停止となる。ちなみに2歳戦のムチは40cmだそうだ。小崎騎手は「この前2歳戦で、初めてあのムチ使いましたよ! 僕は今のところ6回乗って、なんとか制裁なしです。3回までしか使えない分、日本より効果的にムチを使わないといけません。馬を鼓舞したい時や反応させたい時を見極めて、一番効くタイミングで使えるように気を付けています。肩ムチは1発も使ってはいけないので、その面が難しいです」と試行錯誤している。日本同様に、裁決委員が使用回数をチェックしているそうだ。
今週末もハノー
ファー競馬場で2鞍の依頼があった。「2歳のリステッドレースと、もう一頭は前回僕が乗って2着の
ワンダフルワールドです! 調教はまったく乗っていませんが、2頭とも期待して僕に任せてくれています!」と充実している様子。レース映像は「WettStar」というYoutubeチャンネルでライブで観られるので、是非40cmのムチで戦う小崎騎手を応援してほしい。(
中央競馬担当・玉木 宏征)
スポーツ報知